さらに理想の姿へと進化させる、新型KATANAの新たな提案。

掲載日/2019年9月18日
取材協力/アドバンテージ、Be'z Garage、大野スピード、TANAX、キジマ
写真/冨樫秀明 取材、文/後藤武
構成/バイクブロス・マガジンズ
今年登場したSUZUKI KATANA(カタナ)は、大きな話題を呼んだマシンだ。ロングストロークでトルクフルだったGSX-R1000 K5系のエンジンを搭載。往年の名車GSX1100S KATANAをイメージさせるデザインとネーミングで、スズキファンのみならず、多くのライダーから注目された。
そんな新型カタナをベースとしたカスタムマシンを製作しているのが湯浅氏だ。熱烈なスズキマニアである氏は、新型カタナが発売されてすぐに購入。自らのイメージでカスタムをスタートさせた。

製作コンセプトは「現代の和」

「テーマは和です。先代のカタナも和のテイストで作られていると思うんです。ただ先代をコピーするのではなく、現代のカタナはこうありたいっていうものを自分なりの形にしてみました」

スタンダードのマシンを見た時、湯浅氏が気になったのはハンドルの高さとテールが短いこと。この2点をメインに新たなデザインが考えられた。テールを伸ばせば全体のバランスも崩れる。そこでテールカウルと共にショートタイプのタンクを新たに製作することとし、湯浅氏のイメージをビルドダメージが形にしていった。

上質かつスポーティな走りを実現

マシンを実際に見せていただくとイメージがずいぶん変わっている。それでいて違和感がない。ハンドルが低くなったこととロングテールになったデザインは確かに成功している。

製作過程にある為、ステップがまだ変更されておらず、ハンドルだけが低くなった状態だったが、マシンに跨った時の違和感はまったくなかった。フロントに加重しやすく、抑え込むこともできるため、ワインディングではちょうど良い感じだ。

ホイールの変更は、カタナのハンドリングにスポーティーさを与えていた。アルミ鍛造削り出しのEXACTは、最新のスポーツバイクに装着しても極端な軽量化になるわけではない。しかし、外周部、スポーク、ハブの重量バランスとそこから生まれる慣性力、ジャイロ効果まで徹底的に考えて開発されたこのホイールは、ノーマルの安定感や直進性などを失うことがないまま、上質なハンドリングを生み出す。

EXACTには、サイズによってマグネシウムの鍛造削り出しもラインナップされているから、そちらにすれば更にハンドリングは変化するだろう。しかしアルミにはアルミの良さがあり、ホイールは単に軽ければ良いというものではない。適正な重量が生み出す安定感は、ストリートを走る上において重要なものであり、アルミホイールの方が気楽に付き合うことができるのも事実。湯浅氏もそういった考えでこのホイールをチョイスしているのである。

今回の撮影では、一般的に走るラインを大きく外してカメラマンの前を通過し、そこから正規のラインに戻るような走り方をした。撮影後のラインは一本。毎回そこにピタッとマシンがのっていく。なんの不安感もなく走ることができたのは、軽快さと安定感が両立されていたから。

カタナは、スタンダードでもスポーティーな中にシットリとした落ち着きがあり、とても乗りやすいマシンなのだが、そのスタンダードの良さをホイールが更に引き出している感じだ。

ラジアルマウントのマスターとキャリパーは握ったフィーリングがダイレクトになっている。ノーマルでも制動力などはまったく不足なかったが、こちらの方がブレーキングのコントロールをより繊細に行うことができるため、走りのレベルを上げていくことができる感じだ。剛性の高いキャリパーとガタのないダイレクトドライブローターの効果が大きいのだろう。

外装セットは近日発売予定

この撮影の後、湯浅氏のカスタムマシンはすぐに外装が取り外された。実は今回の外装は試作品。これをベースにして完成品が誕生し、最終的には大野スピードから販売される予定だ。ステップやリアショックも変更されて、完成度と走りを更にレベルアップさせていくのだと言う。

進化を遂げるカタナカスタム。完全形となった時、また再び乗らせていただきたいものである。

オリジナルのロングテールカウル。先代カタナのスタイルを参考とした現在のデザイン。マシンの印象を大きく変えている。

ショートタイプのタンクはFRP製でインナータンク使用。通常の使用でも十分な航続距離を確保。スポーツライディングで体重移動した時も違和感なくニーグリップもしやすい。

スタンダードアップハンドルはハリケーンのFATコンドルバーに変更された。ポジションは軽い前傾になるが、ストリートで長く走っても疲れるほどではない。スポーツライディングしやすい形状だ。

スタンダードのクラッチは決して軽くないが、オオノスピードのライトクラッチホルダーほ装着することによってクラッチが非常に軽く、操作しやすくなっている。

フロントホイールはアドバンテージのアルミ鍛造ホイールEXACT2 Racing 10。サイズは3.50×17。アドバンテージのダイレクトドライブディスクとNISSIN モノブロックキャリパーを組み合わせている。

NISSINのラジアルマウントマスターシリンダーはブレーキを握っていった時、レバータッチが変化しない為、スポーツライディングのみならず通常のライディングでも繊細なブレーキ操作が可能になる。

スイングアームはスタンダード。ヨシムラのスタンドフックを装着して整備性を向上させている。

カウルはスタンダードで今回はラッピングのみ。しかしタンクやシートが変更されたことでフロントから見たイメージも変わった。キジマのシーケンシャルウインカーがワンポイント。

取材協力:Be'z Garage

湯浅氏は会員制バイクガレージ「Be'z Garage」の代表。横浜インターからクルマで10分程の場所にある。万全なセキュリティーとピットスペース、ライダーがくつろぐことができる休息スペースも設けられていて快適なバイクライフを送ることができる。現在なら即入庫可能。
TEL:090-3240-4117
URL:http://www.pbgarage.com

INFORMATION

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