RX-100の復刻モデルをさらに扱いやすく。リード工業「RX-100RII」

掲載日/2024年12月4日
取材協力/株式会社リード工業
取材、文/伊澤侑花、写真/稲垣正倫
構成/バイクブロス・マガジンズ
リード工業のリバイバルシリーズ「RX-100R」がリニューアルを果たし、「RX-100RII」として登場した。約40年前に人気を博した「RX-100」の魅力を継承しつつ、あご紐やインナーパッドの素材を変更。扱いやすさと快適性をさらに高め、より永く愛されるものへと進化した。

受け継ぎ、進化し続けるRX-100

リード工業は1965年からバイク用ヘルメットの製造をスタートした、歴史あるヘルメットメーカーだ。1980年代のバイクブーム全盛期に入ると、同社のフルフェイスヘルメット「RX-100」と「RX-200」がライダー人気を二分したという。あれから約40年、再び廻ってきた”昭和レトロ”や”ネオクラシック”のトレンドを掴んだリード工業は、2021年にRX-100のリバイバルモデルとして「RX-100R」を発売した。RX-100を忠実に再現しつつ、シールドは視認性の高い立体成形ポリカーボネートを採用。80年代を思い起こさせる見た目に現代の技術を加えた、まさにネオクラシックなRX-100Rは、復刻モデルとして注目を集めた。

そして今回、新たに登場したのがRX-100Rの後継モデルとなるRX-100RII。これまで受け継いできたRX-100らしさは崩さず、高級感と利便性を高めるための仕様変更を行った。

ワンタッチバックルにメッシュパッド。
より扱いやすく、快適に

RX-100RIIは、シェルのボトム部分をやや狭めているのが特徴で、後頭部からあごまでのラインがスッキリして見える。さらに、フルフェイスヘルメットは顔を全て覆うため視界の狭さを感じやすいが、フェイスウィンドウが広く作られているため左右の視界が良好だ。広い視野を持って走行できるのは、走行時の安心感にもつながってくる。

そして今回新たに変更された点の一つが、あご紐だ。バイクに乗る際、手袋を外してあご紐を解いてヘルメットを脱ぐという動作を、面倒に感じる方も多いだろう。前モデルではDリング方式を採用していたが、新たにステンレスワンタッチバックルを導入。リリースボタンを押すだけでバックルの取り付け・取り外しができるため、簡単にヘルメットを着脱できるようになった。なお装備されているDリングは、ヘルメットホルダー固定用だ。

また、内装パッドの生地をメッシュに変更し、通気性を向上させているのも注目すべきポイントの一つ。特に夏場は着用時に汗をかき、帽体内の蒸れが気になるため、今回の改良からはそんな不快感を軽減し、より快適なライディングを実現できるようにという意図が伝わってくる。インナーパッドは着脱式のため、取り外して洗濯することができるのも大きなメリットだ。

さらに、天井部を見ると、サテンキルティングがブラックからヘリテイジブラウンに変更されている。織ネームも追加され、高級感溢れるデザインに仕上がっている。実際に手に持った時に見える光沢に、気分が高まるだろう。

カラーは全部で6種類あり、一般流通モデルとECサイト限定モデルが3色ずつラインナップしている。前者はホワイト、マットメタリックブラック、マットダークシルバーという無地の3色が揃っている。一方、ECサイト限定モデルはブラック×ゴールド、ホワイト×レッド/ブルー、アイボリーがあり、それぞれのカラーにラインが引かれたデザイン。どんなマシン・服装にも合わせやすいシンプルな単色か、デザイン性の高い3色か、コーディネートを楽しめる種類の豊富さも魅力だ。

RX-100RIIの機能性

LEAD
RX-100RII
価格:¥18,700(税込)
サイズ:フリー(57〜60cm)
カラー(一般流通モデル):ホワイト、マットメタリックブラック、マットダークシルバー
カラー(ECサイト限定モデル):ブラック×ゴールド、ホワイト×レッド/ブルー、アイボリー
重量:約1,400g

80年代を彷彿させる、旧LEADロゴを使用したヘッドマーク・リアマークを採用。剥がすことができるため、付属しているオリジナルPVCステッカーに貼り替え可能だ。

シールドは視認性の高い立体成形ポリカーボネートを採用。ラチェット機構によって開閉角度を4段階に調節することができる。固定用スナップにニッケルメッキを施したボタンを使用し、RX-100の色味を忠実に再現している。

INFORMATION

住所/東京都足立区宮城1丁目17番21号
電話/03-3912-2751
営業時間/9:00~17:00

戦後、一躍需要を増した自転車の部品製造会社を出発点とするリード工業(LEAD)。復興と経済発展が進むにつれて爆発的に増えたバイク部品の製造に取り組むようになったのは、自然な流れでした(昭和30年)。当時のバイクは、あくまでも実用品。会社の営業者であり、家庭の自家用車でしたから、動くために必要な部品の次は、役に立つ道具にするための用品が求められることもまた、自然なことだったのです。当時は、荷物を入れるためのボックスや快適に走るための風防(スクリーン)が主な商品だったのも頷けます。また、昭和40年代の終わりには、生産拠点を求めた海外進出が始まっています。必要なものを、より求めやすい価格で、大量に生産するためです。その後、国内のバイク人気を追い風に事業を拡大し、レザーウェアの製造を行っていた時期もありました。現在の主力商品はヘルメットと盗難防止用品、それからグローブとバイクカバーも。求めやすい価格と豊富なバリエーションで、昔と同じようにライダーの役に立つ道具を作り続けています。