
昨今、昭和レトロがトレンドにもあるように、大正や昭和、平成で流行したデザインが令和になって再ブームを果たしている。その流れはバイク業界も例外ではなく、例えば、1960年代のスクランブラースタイルを取り入れたホンダCL250や、クラシカルテイストな見た目のヤマハXSRシリーズなど、見た目はどこか懐かしいが、性能は最新技術を取り入れている「ネオレトロ」「ネオクラシック」と呼ばれるバイクが多く登場している。
もちろんそれはバイク本体に限らず、ライディングウエアやヘルメットのデザインにも大きな影響を及ぼしていて、リード工業では1980年代に発売し人気を集めた男性用ヘルメットRX-100を再現したビンテージモデルRX-100Rを発売、80年代の雰囲気はそのままに、現代に合わせて機能性をアップデートしており、こちらも人気の高い商品となっている。
このようにレトロブームが浸透する中、RX-100Rを発売したリード工業に対し、女性用ヘルメットを求める声も多く上がったという。先述したRX-100Rは基本的に男性用であり、Sサイズでも女性にとってはピッタリとフィットはしなかった。そんな声を受けて登場したのがレディース用フルフェイスヘルメットKlein(クライン)だ。
ヘルメットにはハーフタイプやセミジェットなど様々な種類があるが、KleinはRX-100とRX-100R同様にフルフェイスタイプとなっている。頭部全体を包み込むため、他の形状のヘルメットと比べて極めて安全性が高いのが特徴的で、顔全体を覆っている分、防風性や防寒性もあり、高速道路でスピードを出す時も空気抵抗を感じにくいというメリットがある。
カラーはブラック/レッド、グレー/オレンジ、ホワイトの3つが揃っている。ブラック/レッドとグレー/オレンジはラインが入っており、ホワイトはシンプルながら赤いKleinロゴが目を引くデザイン。それぞれステッチ入りのゴムがついており、カラーによって印象が変わるため、自身のライディングウエアやバイクのテイストに合わせて選ぶことで、走行時のコーディネートが楽しくなるだろう。
Kleinを実際に着用してまず感じたのはその柔らかなフィット感。フルフェイスヘルメットは顔全体を覆うため着用時の締め付けが強かったり、窮屈さを感じるが、Kleinは内装のパッドがソフトで着け心地の良さを実感した。また、メイクをすると内装にファンデーションが付いてしまうことが悩みの一つだが、締め付けがきつすぎないため、肌が擦れて取れたファンデーションが内装にべったり付くということがなかったのも魅力に感じた。
さらに、今回取材した日は真夏日で、すぐに汗が吹き出してくるほどの厳しい暑さではあったが、通気性も十分に確保されており、ヘルメットの中が蒸れたり息苦しさを感じて不快になることはなかった。
Kleinの特徴は視界の広さにもある。フルフェイスヘルメットは全体が覆われている分窮屈さを感じやすいが、Kleinはフェイスウィンドウの左右の視野範囲を広く設計しているため、周囲が見やすく、開放感を感じながら走ることができた。特にツーリングでは街並みや自然の景観を求めて目的地を決めるライダーも多いだろう。見える範囲が多い分、景色から感じるものも多く、より充実した時間になることは間違いない。安全性と見た目の可愛さ、どちらも兼ね備えているKleinは、ヘルメット選びに悩んでいる女性ライダーにぜひおすすめしたい。
LEAD
Klein
価格:¥18,700(税込)
サイズ:S(55-56cm未満)、M(57-58cm未満)
カラー:グレー/オレンジ、ブラック/レッド、ホワイト
製品仕様:ステッチ入り縁ゴム、着脱内装、ワンタッチバックル等
Kleinは金具を差し込むだけのクイックリリース式ストラップ。通勤・通学など着脱が多い人にとってもストレスフリー。
ヘルメットの内装は簡単に外すことができる。特にメイクをしてバイクに乗る時、チークパッドにファンデーションがつきやすいが、内装の取り外しが容易なため、洗濯もしやすい。
シールドは外して使用することも可能。上部は黒い部分はネジで止まっており、下部は銀色のスナップボタンのため簡単に取り外しができる。