レトロ可愛いフルフェイス、かぶり心地が快適なリード工業の女性用ヘルメット「Klein(クライン)」

掲載日/2024年08月27日
取材協力/株式会社リード工業
取材、文/伊澤侑花、写真/稲垣正倫
構成/バイクブロス・マガジンズ
日本を代表するヘルメットメーカーの一つであるリード工業から、女性用フルフェイスヘルメットKlein(クライン)がリリース。1980年代に発売されたRX-100の復刻ビンテージモデルRX-100Rに続くKleinは、今回もレトロな見た目のヘルメットに仕上がっている。

惹かれるデザインはレトロブームにあり

昨今、昭和レトロがトレンドにもあるように、大正や昭和、平成で流行したデザインが令和になって再ブームを果たしている。その流れはバイク業界も例外ではなく、例えば、1960年代のスクランブラースタイルを取り入れたホンダCL250や、クラシカルテイストな見た目のヤマハXSRシリーズなど、見た目はどこか懐かしいが、性能は最新技術を取り入れている「ネオレトロ」「ネオクラシック」と呼ばれるバイクが多く登場している。

もちろんそれはバイク本体に限らず、ライディングウエアやヘルメットのデザインにも大きな影響を及ぼしていて、リード工業では1980年代に発売し人気を集めた男性用ヘルメットRX-100を再現したビンテージモデルRX-100Rを発売、80年代の雰囲気はそのままに、現代に合わせて機能性をアップデートしており、こちらも人気の高い商品となっている。

このようにレトロブームが浸透する中、RX-100Rを発売したリード工業に対し、女性用ヘルメットを求める声も多く上がったという。先述したRX-100Rは基本的に男性用であり、Sサイズでも女性にとってはピッタリとフィットはしなかった。そんな声を受けて登場したのがレディース用フルフェイスヘルメットKlein(クライン)だ。

ヘルメットにはハーフタイプやセミジェットなど様々な種類があるが、KleinはRX-100とRX-100R同様にフルフェイスタイプとなっている。頭部全体を包み込むため、他の形状のヘルメットと比べて極めて安全性が高いのが特徴的で、顔全体を覆っている分、防風性や防寒性もあり、高速道路でスピードを出す時も空気抵抗を感じにくいというメリットがある。

カラーはブラック/レッド、グレー/オレンジ、ホワイトの3つが揃っている。ブラック/レッドとグレー/オレンジはラインが入っており、ホワイトはシンプルながら赤いKleinロゴが目を引くデザイン。それぞれステッチ入りのゴムがついており、カラーによって印象が変わるため、自身のライディングウエアやバイクのテイストに合わせて選ぶことで、走行時のコーディネートが楽しくなるだろう。

柔らかなフィット感と視界の広さで見た目も走りも充実

Kleinを実際に着用してまず感じたのはその柔らかなフィット感。フルフェイスヘルメットは顔全体を覆うため着用時の締め付けが強かったり、窮屈さを感じるが、Kleinは内装のパッドがソフトで着け心地の良さを実感した。また、メイクをすると内装にファンデーションが付いてしまうことが悩みの一つだが、締め付けがきつすぎないため、肌が擦れて取れたファンデーションが内装にべったり付くということがなかったのも魅力に感じた。

さらに、今回取材した日は真夏日で、すぐに汗が吹き出してくるほどの厳しい暑さではあったが、通気性も十分に確保されており、ヘルメットの中が蒸れたり息苦しさを感じて不快になることはなかった。

Kleinの特徴は視界の広さにもある。フルフェイスヘルメットは全体が覆われている分窮屈さを感じやすいが、Kleinはフェイスウィンドウの左右の視野範囲を広く設計しているため、周囲が見やすく、開放感を感じながら走ることができた。特にツーリングでは街並みや自然の景観を求めて目的地を決めるライダーも多いだろう。見える範囲が多い分、景色から感じるものも多く、より充実した時間になることは間違いない。安全性と見た目の可愛さ、どちらも兼ね備えているKleinは、ヘルメット選びに悩んでいる女性ライダーにぜひおすすめしたい。

Kleinの機能性

LEAD
Klein
価格:¥18,700(税込)
サイズ:S(55-56cm未満)、M(57-58cm未満)
カラー:グレー/オレンジ、ブラック/レッド、ホワイト
製品仕様:ステッチ入り縁ゴム、着脱内装、ワンタッチバックル等

Kleinは金具を差し込むだけのクイックリリース式ストラップ。通勤・通学など着脱が多い人にとってもストレスフリー。

ヘルメットの内装は簡単に外すことができる。特にメイクをしてバイクに乗る時、チークパッドにファンデーションがつきやすいが、内装の取り外しが容易なため、洗濯もしやすい。

シールドは外して使用することも可能。上部は黒い部分はネジで止まっており、下部は銀色のスナップボタンのため簡単に取り外しができる。

INFORMATION

住所/東京都足立区宮城1丁目17番21号
電話/03-3912-2751
営業時間/9:00~17:00

戦後、一躍需要を増した自転車の部品製造会社を出発点とするリード工業(LEAD)。復興と経済発展が進むにつれて爆発的に増えたバイク部品の製造に取り組むようになったのは、自然な流れでした(昭和30年)。当時のバイクは、あくまでも実用品。会社の営業者であり、家庭の自家用車でしたから、動くために必要な部品の次は、役に立つ道具にするための用品が求められることもまた、自然なことだったのです。当時は、荷物を入れるためのボックスや快適に走るための風防(スクリーン)が主な商品だったのも頷けます。また、昭和40年代の終わりには、生産拠点を求めた海外進出が始まっています。必要なものを、より求めやすい価格で、大量に生産するためです。その後、国内のバイク人気を追い風に事業を拡大し、レザーウェアの製造を行っていた時期もありました。現在の主力商品はヘルメットと盗難防止用品、それからグローブとバイクカバーも。求めやすい価格と豊富なバリエーションで、昔と同じようにライダーの役に立つ道具を作り続けています。