掲載日:2023年12月06日 プロが造るカスタム
取材協力/BITE
取材・写真・文/ガスグラフィックス
エアロメーカーを一社に統一せずに、バラバラで選んでトータルコーディネートする。そんな難易度の高いカスタムに挑戦したのが、東京都八王子にあるバイト(ホンダドリーム八王子)だ。フロントはマッドスピード、サイドはジェッツ、フロントフェンダーとリアアンダーカウルはベル、そしてリアスポイラーはバイトの自社ブランドと、4社ミックスでこのマジェスティは作られていた。
当時のブームを体験したユーザーにとっては、これらのブランドがどれだけの支持を集めていたか。しかも、それぞれのブランドをどれかひとつに選択すれば、十中八九素晴らしいスタイルが完成するのに。なぜ、カスタムのハードルを上げることを自らに課すのか。そんな思いに駆られるバイトの挑戦は、話題となった。
結果的には、ご覧の通りのトータルバランスを追求した、ちょい派手の渋マジェが完成。バイトのセンスが光ったのは、選んだエアロメーカーの割り振りにある。造形の複雑さのわりにデザインがシンプルなマッドスピードのフェイスと、長いけど美しいラインを持つバイトのリアスポで、ボディ上面は純正にマッチするラグジュアリーデザインを選んだ。一方で、サイド、フロントフェンダー、アンダーカウルといった下部には、ジェッツのドラッグボンバーとベルという、いわゆる派手系デザインで統一。一見アンバランスに見えるエアロチョイスでも、上下でコンセプトを分けることで完成度が高まることを証明したのだ。
しかも、全体的なバランスは、さりげないロングホイールベースに適度なローダウンと、派手系とは真逆の大人な雰囲気。それでも、前述した各部エアロと共に、140φマフラーやマジョーラカラーなど、グリッター要素も取り入れながらトータルバランスを整えたバイトのセンスは、いつまでも語り継がれるだろう。