掲載日:2021年04月14日 プロが造るカスタム
取材協力/GOTTY 取材・写真・文/ガスグラフィックス
ビッグスクーターのブーム終焉直前から、今現在まで続いている前後4輪化とフロントマスクスワップのスタイルは、完全にハードカスタムの定番となっていることについては、誰も異論はないだろう。しかし、そのスタイルに辿りつく前に存在した、ロングホイールベース加工こそがハードスタイル、と言われた時代を思い出させてくれる今では新鮮な雰囲気を漂わせている4D9マジェと出会った。
製作は大阪のゴッティ。2007年に4D9マジェスティが発売されると同時に、精力的にこの車両を使って様々なスタイルを構築。その中で常々同店が提唱していたものが、通常のビッグスクーター用ホイールを装着してのロングホイールベース加工だった。あの当時、ヤマハ純正オプションパーツとして、ワイズギアは多くのビッグスクーター用製品をラインナップしていた。その中のひとつに、ノーマルサイズより前後1インチずつサイズアップ可能なインチアップメッキホイールが製品化されていたのだ。ヤマハ純正オプション品のため、質感やデザイン、そして安全性は完璧。それでいて、ボディとのバランスもさらに調和されるため、ユーザーからの熱い支持を得ていたのだ。
4輪ホイール化は、ルックス的にはもちろん非常に戦闘的で、迫力あるスタイルを作ることができる。しかし、完全なるワンオフ作業のため、絶対的な安全性は未知数だし、ユーザーの金銭的な負担も多くなる。それに対するアンチテーゼが、正にこの純正オプション品装着で留める見せ方だったのだ。GOTTYと言えば、過激な大径&ワイドタイヤ装着による超ハードスタイルばかりが記憶に残りそうだが、ユーザーの思いを理解して、行き過ぎないレベルで留める正統派ハードスタイルも、ずっと作り続けているのだ。