ホンダ フォルツァ Si
ホンダ フォルツァ Si

ホンダ フォルツァ Si – 新世代スクーターの基準を目指す

掲載日:2013年08月19日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/和歌山 利宏  写真/徳永 茂

ホンダ フォルツァ Siの試乗インプレッション

ホンダ フォルツァ Siの画像

走行性能、特にハンドリングが秀逸
使えて、楽しめるスクーターだ

跨ると、シート高715mmは、従来のフォルツァZの710mmより5mm高いが、バイクの中に座りこむシットインスタイルのライポジであることに変わりはなく、足着き性も申し分ない。快適指向かつ収納性や利便性を重視した、まさにジャパニーズ・スタンダート・スクーターとも言えるものである。

ところが、車格もフォルツァZと同等なのだが、車重が軽いことの恩恵が大きいのか、明らかに軽い印象で、軽快に取り回すことができる。その点で、フォルツァZに不満があったわけではないが、この軽快さは、日常的に手軽に乗り回すにあたり、大変にありがたい。ある意味、ずっと自転車感覚に近付いた印象だ。

ホンダ フォルツァ Siの画像

走り出してもハンドリングが軽快でスポーティなのだが、小径ホイールのスクーターにありがちな神経質さがない。いくらハンドリング性能が向上しても、小径ホイールのスクーターではコントロール性に限界があるものだ。もちろん、その点で、フォルツァZも優れてはいた。だが、新しいSiは、はるかに高水準化されている。いや、このカテゴリーにおいて最高水準にあると言って差し支えない。

何と言っても絶大なのが、新しい思想で設計されたフレームの剛性バランスの効果だ。リヤからの捻れを柔軟に受け止めて吸収、フロントに神経質な挙動を伝えない一方で、ステアリングからの動き、特に縦曲げをダイレクトに受け止め、安定性と信頼感を高めてくれるといった感じだ。簡単に言えば、基本的にグニャと柔軟なのだが、ガチッとしっかり節度があるというわけだ。

ホンダ フォルツァ Siの画像

加えて、リヤのオレオリンクが、エンジン振動を吸収してくれるだけでなく、路面からの突き上げを最初に後方にいなしながら受け止めてくれるので、路面追従性に優れ、車体も安定している。さらに、フロントホイール径が14インチにインチアップされた効果もあろう。リヤよりも大径なので、相対的にフロントの挙動が穏やかになるので、安心感も高くなるというわけだ。

ホンダ フォルツァ Siの画像

そして、エンジンが全域においてトルクアップされていて、伝達効率が向上したVマチックと軽快になった車体と相まって、小気味良くスロットルで駆っていくことができる。スポーティだし、街中からワインディング、自動車道路にいたるまでストレスがない。特に国内での使用を考えると、動力性能はこれで充分で、環境にベストマッチングとも思える。現実的に使えて、そして楽しめる。まさに、コンセプトどおりベンチマークとなり得るニュースタンダートである。

ホンダ フォルツァ Siの詳細写真は次ページにて

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