ヤマハ ドラッグスター400
ヤマハ ドラッグスター400

ヤマハ ドラッグスター400 – インジェクション採用でバージョンアップ

掲載日:2010年05月13日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ミドルクラスクルーザーの代表作が
インジェクション採用でバージョンアップ

日本国内市場において、400ccクラスのクルーザーモデルは根強い支持のあるカテゴリだ。1990年代半ばから後半にかけてのアメリカンバイクブームがその礎となっているが、その中でも特に人気の高かった1台と言えば「ドラッグスター400」だ。1996年の発売から4年連続で国内小型2輪のトップセラーとなったと言えば、その人気の程もお分かりいただけるだろうか。一斉を風靡したブームが一段落した後も、ミドルクラスのクルーザーモデルと言うとまず「ドラッグスター」が挙がるほどポピュラーで、アフターマーケットでのカスタムパーツも他の車種を圧倒するラインナップを誇っていた。しかし、排気ガス規制の余波を受け2008年に一度生産を終了していまった。ところが、翌年にはインジェクションを採用し、細部のディティールをより向上させて復活。バリエーションモデルのドラッグスタークラシック400と合わせて、今日もヤマハ製クルーザーモデルの中核を占めている。今回はこのインジェクション仕様のドラッグスター400をインプレッション。試乗を通して、ミドルクラスクルーザーのベストセラーが持つ実力を体感してみたい。

ヤマハ ドラッグスター400の試乗インプレッション

ヤマハ ドラッグスター400の画像

走って楽しいクルージングモデル
スポーツ性能も想像以上のパフォーマンス

地を這うような低い車高と、ホイールベース1610mmのロングな車体を持つドラッグスター400は、一見すると400ccクラスに見えないボリューム感を持っている。車両重量も234kgと決して軽い方ではなく、まさにミドルクラスの重量級といった趣だが、実際にまたがってみると「あれ?」という不思議な感覚に襲われる。外見から想像出来るような大きさをほとんど感じないのだ。見た目から考えられないほどコンパクトなポジションに、思わず降りて車体を確認してしまったほど。実際にエンジンに火を入れて走り出すと、この感覚はよりはっきりと感じられてくる。“クルーザー”と言うと「大柄なポジションの重量級モデル」などと連想してしまうが、ドラッグスター400の場合は、そういう先入観は忘れてしまった方がいい。ステップこそフォワードコントロール気味に配置されているものの、足が伸びきってしまわず、ハンドル位置もごく自然なもので、Uターン時でも腕を突っ張ってしまうようなこともない。感覚としては、ゆったりとしたクルージングスタイルと、スポーティなネイキッドの中間に位置するような雰囲気だ。また、着座位置も完全に体を預けることを強要するものでなく、ステップにも力を入れ易い配置となっているのも面白い点。どっかりと腰を下ろして走ることも出来るが、比較的ポジションの自由度が確保されているのは好印象だ。

音こそ少し物足りないものの、空冷Vツインエンジンのレスポンスも良好。スロットルの開け始めからトルクがスムーズに立ち上がるため、ワインディングでも小気味の良い走りが楽しめた。流すのではなく“走る”ことが楽しいというのは、ドラッグスター400ならではの魅力だろう。もう一つ書き添えて置きたいのは、この乗り味を活かした街中での機動力。車体がコンパクトにまとまっているためUターンや切り返しなどで負担が少なく、重いバイクを取り回している苦労を感じさせない。見た目は堂々としているけれど、乗ると大きさが苦にならないというのは、間違いなく大きな美点だ。

ヤマハ ドラッグスター400の画像

もちろん、そういった部分だけでなく、このカテゴリに求められる「ゆったりとしたクルージング性能」もスキがない。ソフトな設定のサスペンションは路面の凹凸を程良くいなし、パルシブなエンジンは心地良い鼓動感をライダーに伝えてくれる。今回の試乗での実燃費は23km前後だったので、15リットルタンクと組み合わせれば300kmを越える巡航も可能。肉厚なシートはタンデム側のクッション性能も良いので、ロングツーリングも快適なはず。お好みのサイドバッグでも装備して、ロングツーリングを楽しむ、という使い方も似合う。こういったクルージングの快適さはもちろん、先述した走りの楽しみもしっかりと備えていることも、ドラッグスター400がベストセラーモデルとなった要因の一つと言えるだろう。

ヤマハ ドラッグスター400の特徴は次ページにて

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