スズキ イントルーダークラシック400(キャストホイール仕様)
スズキ イントルーダークラシック400(キャストホイール仕様)

スズキ イントルーダークラシック400(キャストホイール仕様) – クラス最大級のグラマラスボディ

掲載日:2009年01月22日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

スズキ イントルーダークラシック400の試乗インプレッション

スズキ イントルーダークラシック400の画像

ライダーにゆとりを与える
マイルドなミドルクルーザー

大型クルーザーに負けない車格のイントルーダーにまたがり、まずは自分のライディングポジションを確認すると、見た目とは違うフレンドリーな印象に驚いた。700mmという低シート高による抜群の足つき性のよさと低重心で、乗ってしまうと大きさに戸惑うことは無い。ワイドに見えるハンドルもおさまりがよく、クラッチ、ブレーキなどの操作系も軽くて扱いやすい印象をうけた。シートは肉厚でたっぷりとしたボリュームを持っており、座り心地も良好だ。早速エンジンを始動してみると、音量を抑えた低いサウンドが心地よく響き、身体には適度な鼓動感が伝わり、じわりじわりとライダーの雰囲気を盛り上げてくれる。走りの方はクルーザーらしく、ゆったりとしたテイストだ。いい意味で加減速にルーズさがあるため、スロットルに対して神経質になる必要がないため、ストップ&ゴーが多い街中でもおう揚に構えたまま気楽なライディングが楽しめる。車格ゆえに細い路地まで楽々とは行かないが、ハンドルの切れ角に余裕があり、Uターンなどは想像以上にスムーズ。快適なストリートライディングを満喫できるだろう。

スズキ イントルーダークラシック400の画像

高速道路での巡航はさらに格別だ。直進安定性の高い車体はまさにクルージング向けで、重量があるため強い横風でもふらつくことが少ない。その排気量ゆえに追い越しするためのパンチ力には欠けるきらいがあるが、バイクの性格上せせこましくレーンチェンジをするよりも、どっしりと構えて巡航する方があっているだろう。パッセンジャーシートの居住性も上々なので、高速道路のタンデムツーリングも快適に楽しめそうだ。サスペンションも乗り心地を重視したセッティングになっており、路面の継ぎ目からくるショックをしっかりと吸収してくれる。ブレーキ性能は必要にして充分。欲を言えば車重にあわせて余裕のある制動力のためダブルディスクが欲しいところだが、マイルドな乗り味を楽しむには無用の長物かもしれない。イントルーダーに乗っていると、クルマの間をすり抜けようとか急いで飛ばそうとか、そんな心は消えてしまう。スムーズで穏やかなエンジンにあわせて、のんびりとしたクルージングを楽しむのが、このバイクを満喫する作法と言えるだろう。

こんな方にオススメ

ゆっくりとバイクを楽しめる
違いのわかるライダーに捧ぐ

バイクにスペックとパフォーマンスだけを求めるライダーに、イントルーダーは似合わない。性能だけを追い求めるのではなく、バイクに乗ることで得られる心満たす時間を大切にするライダーにこそ、このバイクの良さが伝わるはず。ミドルクラスでも群を抜いた高級さと存在感、インジェクション採用によるスムーズでマイルドな乗り味は、ゆったりと週末のクルージングを楽しむのに最適と言えるだろう。このクラスで最も落ち着いたライディングフィールは、バイクが飛ばすだけの乗りものではないことを知る、大人のライダーにこそ楽しんで欲しい。

総合評価

クラスを超えた余裕を感じる
新世代のクルージングバイク

ここ数年、バイクの基準が変わったのを感じることが多い。90年代ごろまでに見られたスペック至上主義は鳴りを潜め、バイクに乗ることで得られるエクスペリメントを重視するモデルが増えているように感じられる。イントルーダーもまさにそんな1台で、スペックシートだけではわからない余裕やテイストを楽しむバイクだ。数値だけ見れば大きくて扱いにくいのでは、といった印象を受けるかもしれないが、これまで研鑽してきた高い技術力により、ライダーにネガな要素を極力感じさせないように仕上げられている。大排気量クラスの車格を、普通2輪免許で誰もが不安なく楽しめ、クルージングを満喫できる完成度は、長年続いてきたイントルーダーの歴史に新たなページを書き加えたと言えるだろう。ひたすら速さを追求し、神経を尖らしてコーナリングに没頭するだけではわからない、おだやかなバイクの楽しみ方を味わいたい…そんなことを思うようになったら、是非一度イントルーダーに触れてみて欲しい。クラスを超えた余裕で、あなたをやわらかく包み込んでくれるはずだ。

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