掲載日:2009年01月22日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
中間排気量サイズのクルーザーは、国内バイク市場において人気の高い車種だ。大型免許が無くとも迫力のスタイルと快適なクルージングを楽しめることもあって、幅広い層のライダーから支持を受けている。このカテゴリの黎明期である、1980年ごろに発売されていたモデルは、ネイキッドバイクがベースでデザインも車格も物足りないものが多かったが、1990年代のアメリカンバイクブームを背景に国内各社は切磋琢磨を重ね、近年では洗練された美しさと余裕のある車格をもつモデルが多くリリースされている。
なかでもスズキが作るイントルーダーは、同排気量のクルーザーの中で最大級のホイールベースとボディサイズを持ち、普通2輪免許で大型並みの車格が楽しめるモデルとして人気が高い。そのイントルーダーシリーズの最新作が、イントルーダークラシック400(以下イントルーダー)。フューエルインジェクションを採用することによって現代の環境基準に適合したエンジンを搭載した、スズキの最新型ミドルサイズ・クルーザーだ。エンジン仕様の変更が行われただけでなく、スタイルもブラッシュアップされ、重厚感だけでなくエレガントさも兼ね備えたルックスへと進化している。ミドルクラスでありながら、大排気量車に勝るとも劣らない存在感と迫力を持つイントルーダークラシック400がどのようなバイクなのか、試乗インプレッションにて早速確認してみることにする。
「このバイクは本当に400cc?」というのが、イントルーダーをはじめて見た時の感想だ。実際に大排気量クルーザーと並べて比較しても遜色がない車格で、車両サイズ、重量とも中排気量車では最大級。おそらく400ccクラスのバイクとしてはトップクラスの存在感だろう。その大きさゆえにエンジンを切った状態での取り回しには重さを感じるが、重心が低いためそれほど苦にはならない。むしろ、他にはない唯一無二ともいえる重量級ミドルクルーザーとしてのステイタス性を考えれば許容できるものだ。ボディの造形もサイズを活かしたグラマラスなもので、タンクやフェンダーの流麗なラインは、コンパクトに収めようとしてしまうと表現できない美しさを持っている。また、クロームパーツがぜいたくに使用されているため、雰囲気は飛びぬけてゴージャス。特にヘッドライトまわりからタンク上のメーターにかけての輝きはすばらしく、周囲の風景を映しこむクロームにうっとりとしてしまう。クラスを超えた車格とクロームの輝きのマッチングは、イントルーダーの大きな魅力のひとつだ。
つい豪奢なスタイルばかりに目がいってしまうが、バイクとしての機能性も充実している。ライディングポジションの自由度が高く、クルージングの疲労を低減させるワイドなフットボードや、メンテナンスフリーのシャフトドライブ、夜間走行でも十分な光量を確保したヘッドライトなど、快適なクルージングを楽しむ際に必要なものがしっかりと備えられている。特に今回のモデルより採用されたメーターは、アナログタイプの速度計と各種情報を表示する液晶モニターが組み合わされた多機能なもので、時計、ツイントリップメーターのほか、ギアポジションの表示が可能で使い勝手が良い。クルーザーらしい車格と質感だけでなく、充実した機能性を備えた、スキの無い仕上がりとなっている。