スズキ ブルバード M109R
スズキ ブルバード M109R

スズキ ブルバード M109R – アメリカの人気モータースポーツから生まれたマッシブモデル

掲載日:2014年12月24日 試乗インプレ・レビュー    

取材・写真・文/田中 宏亮

アメリカの人気モータースポーツから
生まれた規格外のマッシブモデル

排気量1,783cc Vツインエンジンに240mmという極太リアタイヤ、そして径の大きな部位が織りなすマッシブなボディなど、車格およびパワーとも過去に例をみないスケールのモデルがスズキから登場した。その名もブルバード M109R。欧州スズキで開発されたいわゆる逆輸入車だが、モデルの特性を見れば、ヨーロッパというよりもアメリカ、クルーザーというよりもドラッグレーサーであることが伺い知れる。太平洋の向こうで高い人気を誇るモータースポーツから生まれたモンスターバイクのライドフィールがいかほどのものか、たっぷりとご紹介しよう。

スズキ ブルバード M109Rの特徴

スズキ ブルバード M109Rの画像

ハーレーをも食ってしまいかねない
超大型のドラッグレーサー

ヨーロッパ市場からやってきたスズキの新しいクルーザーモデル──。それがこのブルバード M109R(以下 M109R)が掲げるコピーである。しかし、実際にスペックに目をやると、その数値だけでクルーザーとしての規格を大幅に超えた異形のスポーツモデルであることに気づかされる。まずエンジンだが、排気量が1,783cc/水冷V型2気筒DOHCという凶暴極まりないエンジンが搭載。そして全長2,480mm、ホイールベースが1,710mmというなかなかの長さで、それでいてシート高は705mmと、いわゆるアメリカンクルーザーのロー&ロングスタイルの定義どおりの設計となっている。この規格だけでもかなりコーナリングが難しそうに思えるのだが、そこに加えてリアタイヤが240mmという太さなのだから、問答無用の直線番長モデルだと言っていい。いわゆるネイキッドスタイルながら、車重も347kgと超重量級である。

スズキ ブルバード M109Rの画像

そのスタイルを見れば一目瞭然、直線コースでのスピードを競うアメリカで人気のモータースポーツ『ドラッグレース』に登場するドラッグレーサーそのものである。“クルーザー”とは銘打たれているが、二輪のみならず四輪を含めた量産車のなかでも最大のボア径112.0mmとされ、ハイテンションスチール製ダブルクレードルフレーム、φ46mmというカヤバ製倒立フロントフォークにダブルディスク仕様のフロントブレーキ、リンク式モノサスペンションと鋳造アルミスイングアームというリアの組み合わせは、「ハイウェイを軽く流そう」というレベルの装備ではない。一般参加が可能なドラッグレースにそのまま持ち込んでも、十分好成績が狙えるスペックと言っていい。

スズキ ブルバード M109Rの画像

ライバルとなるのは、ハーレーダビッドソンのVロッドモデルだろう。スペックだけを比較してみても、全長/ホイールベース/シート高、そして240mmというリアタイヤなど、サイズ感だけならほぼ同等とされる。しかし、300kg前後の車重と1,246ccという排気量を見ると、Vロッドが軽量モデルに見えてしまうほど。このスケール感の量産型ドラッグレーサーモデルはなかっただけに、ハーレーの得意分野とされるカテゴリーでかなりブレークスルーした一台だと言えよう。

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スズキ ブルバード M109Rの試乗インプレッションは次ページにて

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