ヤマハ RAIDER (XV1900CU)
ヤマハ RAIDER (XV1900CU)

ヤマハ RAIDER (XV1900CU) – ロードライナーベースのメーカーカスタムモデル

掲載日:2008年08月20日 試乗インプレ・レビュー    

構成/バイクブロス・マガジンズ編集部

ヤマハ RAIDER(XV1900CU)の試乗インプレッション

ヤマハ RAIDER(XV1900CU)の画像

チョッパー風でありながら
ナチュラルなハンドリング

乾燥重量で314kgのレイダーだが、足つき性が非常にいいため、数字ほどの重さは感じない。跨ったままの取り回しでも特に不安を感じることはなかった。インジェクション採用のエンジンはセル一発で始動、Vツインらしいサウンドを奏ではじめる。Vツインエンジンはハーレーの代名詞のように思われているが、これだけ大排気量のエンジンが奏でるサウンドだと本家にも負けない重低音サウンドが心地いい。Vツインのエンジンは耳だけでなく、ハンドルやシートなどから伝わるバイブレーションでも楽しむものだが、体に伝わってくる鼓動はハーレーとは一味違うもの。「ブルブル」と体を揺さぶるようなものではないが、Vツインならではのテイストはしっかりと表現。エンジン内部に左右分割でバランサーが組み込まれており、ほどほどの鼓動を体で味わうことができた。どこまでを心地いい鼓動、どこからを不快な振動とするのかは非常に難しいものだが、必要以上の鼓動を残したり強調したりすると長時間走行での疲れにつながるもの。その点を考慮されたエンジンキャラクターは評価できると言っていいだろう。

ヤマハ RAIDER(XV1900CU)の画像

試乗前に調べていた乾燥重量と最大トルク値から「ドッドッドッ」と地面を蹴るように力強く走りはじめるのかと思いきや、スロットルは予想以上に軽い。1854ccのエンジンから生み出される分厚いトルクは、300kgを超える重量をものとはせずに走ってくれるのだ。試乗をはじめてしばらくは渋滞路の中を走ったのだが、大排気量の空冷エンジンにありがちな、熱さもそれほど酷くない。真夏の渋滞路がイヤにならないのは年中走りたいバイク乗りにとっては嬉しいポイントだろう。渋滞を抜け、高速へ。80、90…100km、法定速度内であれば2500回転以上を使うことはない。スクリーンがなく風圧はすべて体で受けなければならないが、“くの字”に体を曲げて走るポジションのため、少々スピードを出しすぎても辛さは感じないはずだ。特筆すべきはナチュラルなハンドリング。筆者はかなりの種類のハーレーを試乗をした経験があるのだが、ビックツインモデルでこれほど扱いやすいハンドリングのモデルは限られていた。リアサスペンションを横向きに配置したレイダーと同様の機構を採用したモデルはハーレーにもあるのだが、走りはこちらの方が上。見た目の美しさと走りはなかなか両立できないものだ、と思っていたのだが、その思い込みはレイダーの試乗で打ち砕かれることとなった。バンク角が浅く、スポーツ走行ができるわけではないものの、のんびりと山道を流す程度であれば、怖さを感じず流れゆく景色を楽しめる走りをしてくれるバイクだ。

ヤマハ RAIDER(XV1900CU)のオススメポイントは次ページにて

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