

取材協力/プロショップサイトウ
掲載日:2009年08月17日 絶版大好きショップ探訪
この記事はZeppan BIKES 2号掲載の記事を再編集したものです。
今でこそ中型や大型の絶版バイクに乗っているが、自分にとって初めてのバイクは原付だったという読者の方も多いだろう。特に70年代から80年代は、今では考えられないほど個性的でアクの強い原付バイクが溢れている時代だった。神奈川県の相模原市にあるプロショップサイトウはそんな珍車が数多く集まるショップである。
50台以上の在庫車両がひしめき合う店内は、新車の原付なども置かれてはいるが、店内はどこか懐かしくホッとするような昭和の香りが色濃く漂うまさに絶版車天国。ウルフ50、エポ、ラクーン、ボビー、フォーゲル、ビート、ストリームなどなど今となっては滅多にお目にかかれない原付バイクが「よく朽ち果てず残っていたな」という状態で平然と並ぶ。原付だけではない。他にもMT-5やNX125、XT250、さらにはXV750SPやCB750Kなどやはり珍しいものが多い。バラエティに富む車両を一台一台じっくり観察していくと、時間を忘れてしまいそうだ。
「原付に限らず意識して珍しい絶版車を集めているわけではないんですよ。下取りで入ってきたものもあれば、頼まれて探したものあるけど、自然にこうなってしまったんですねえ(笑)。ただ、この時代のバイクはどれもメーカーの『遊び心』を感じたよね」
40年近い業界歴だけあって、車種を問わず絶版車についての知識は相当なものがある斉藤さん。決して集めているわけではないと謙遜してはいるが、アフターフォローのための部品のストックにも努めている。敷地にある部品取り車置き場、店舗2階の倉庫には数え切れないほどの車両やパーツ、パーツリストなどがストックされている。
「古いから、珍しい車両だからといってお客様に迷惑をかけるわけにはいきませんからね。基本的には販売した車両の部品取り車などをストックしているんですよ。パーツ単体ではなかなか手に入らないものも多いですから」
絶版車の中でも特に稀少車となるとパーツストックのあるショップの存在は心強いはず。また、プロショップサイトウではメカニックである林さんの存在も心強い。とにかく2ストロークが大好きでプライベートでもレストアを楽しむという林さんは、カテゴリを問わず2スト小排気量車に関する造詣も深い。そんなことからも店にはこの手の車両が好きな人が集まり、車両の情報もアチコチから寄せられてくる。誰でも自分が初めて手にしたバイクのことはいつになっても忘れないもの。「自分の二輪原体験であるあのバイクにもう一度…」そう思う時が来たらプロショップサイトウを覗いてみてはどうだろう。ただし、稀少車の回転は早いから、マメに足を運んで在庫状況を随時チェックしておきたい。
1970年、21歳でこの地に開業
代表の斉藤さん。
まさに日本の近代バイク史を間近で見続けてきた経験豊富な方。話していても常に笑顔の絶えないやさしい社長さんだ。
フォーゲル、ボビー、ギャグと珍しい原付が並ぶ。しかも各車ともに奇跡的なコンディション! ギャグはこの日が納車だったが、同店ではこの2、3年で4、5台は仕上げて販売したという。
手前は84年デビューのFLUSH-S、そして奥は81年デビューの三輪スクーター、ストリーム。こんなレアなスクーターでも目立つように置くわけではなく、普通に並んでいるから驚く。
何も小さなバイクばかりではない。数少ない現行車両に混じって、80年代のビッグバイクもあったりする。しかも結構なお手ごろ価格である…。この年代の車両もこれから注目したいところ。
FZ400R(85)、NSR250(89)、RGV250γ(88)とレーサーレプリカ全盛期を支えた各社の車両も並ぶ。比較的走行距離も少なく、どれも今となっては貴重なフルノーマル車両。マニアは急ごう。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!