東京湾から太平洋へ、房総半島縦断ツーリング

掲載日:2015年03月25日 ツーリング情報局関東エリア    

走行エリア/千葉県
走行した道/東京湾アクアライン、国道409号線、国道410号線、県道24号線、国道128号線、県道296号線、国道127号線、国道16号線
投稿者/プラムフィールドさん 取材日/2015年03月15日

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勇魚(いさな)と共に生きる街
和田浦で垣間見る漁業の歴史

今回のルートは、東京湾アクアラインから千葉県へ入り、国道410号線、県道24号線をメインとして南下した後に外房側の国道128号線へ抜け、さらに南下した後に安房グリーンラインを介して国道127号線から北上するという房総半島を縦断するものです。

今回のツーリングでは、7台のバイク、7人のメンバーが東京湾アクアラインの海ほたるパーキングに集合することとなりました。ひとり1台の相棒、普段、家族や友人を乗せて車で出かける事が多くなると、こうした何気ない瞬間にも、バイクの贅沢さを感じるようになります。ちなみに、この「海ほたる」というのは、木更津人工島の通称です。このため、厳密に言えば集合した時点で、既に千葉県管轄内に居ることになります。

この日は、曇天という事から、ツーリングのバイクは少ないかと思いきや、海ほたるのバイク置き場には、多くのバイクが集まっていました。ここ数週間、週末が雨予報という天気が続いたせいかもしれません。

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混雑・渋滞が脳裏をよぎるスタートではありましたが、千葉県内の走行中は、比較的渋滞も少なく、快適に走ることができました。やはり、雨が降りそうで降らないという微妙な天気は、快走という面では、ツーリングに向いているのかもしれません。

海ほたるパーキングを出て木更津側へ向う場合、東京湾アクアラインの橋梁部分を走る事となります。この橋梁部分の道路は、実に20m以上の高低差があります。ビルでいうと7、8階建といったところでしょうか。このため、海ほたるを出た時には遠かった海面が、木更津へ近づく頃には、かなり近く感じるようになります。東京湾アクアラインを木更津金田ICで降り、国道409号線へ入ります。東京湾アクアライン連絡道路に沿って道なりに進むと、国道410号線との重複区間を経て、再び国道409号(通称:房総横断道路)へと戻ります。409号線の三高の交差点を右折し、国道410号線へ入り、南下します。

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南へ向う国道410号線へは、東京湾アクアライン連絡道路の木更津東ICから直接アクセスする事もできますが、午前中は下道がすいている事と、東京湾アクアライン連絡道路が、東京湾アクアラインと別料金である事を考慮すると、国道410号線を南下するルートを選択される場合には、連絡道路へ入る前に降りてしまうことが賢いでしょう。

国道410号線は、JR久留里線に沿って走る国道で、序盤は、のどかな田園風景が広がる見通しの良い道路となっています。今の時期は、土色が目立つ薄茶色な風景ですが、夏場には濃緑色、秋口には黄金色の風景が広がっていると思われます。途中、久留里線の平山駅を越えたあたりから、小椻川の流れに沿った林間ルートへと入ります。このあたりでは、緩やかなワインディングを楽しむことができます。その後、国道410号線は、久留里線の上総松丘駅(かずさまつおかえき)付近で分岐しています。今回は、久留里線沿線方面へ進み、名殿の交差点を直進することで、県道24号線へ入るルートを採りました。

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県道24号線は、林間を通る緩やかなワインディングです。途中、トラス構造の赤い橋がかけ渡された中州を見ることができます。この中州は、亀山湖の一部にあり、中州内にあるお店でボートを借りると、湖散策を楽しむ事もできるようです。バイクであれば、交通の邪魔にならないところに一端停車し、陸地を介して二連に続く赤い橋を写真に収めるだけでも面白いかもしれません。この辺りは広葉樹も多い印象だったため、秋口には、湖畔にかかる木々の彩りを楽しむ事もできるでしょう。

県道24号線を進むと左手に、笹川湖の堰である片倉ダムを見る事ができます。片倉ダムを過ぎた後、片倉湖の一部に望む道の駅、ふれあいパーク・きみつにて休憩しました。道の駅ふれあいパーク・きみつは、比較的小さな道の駅ではありますが、物産館などが併設されております。そして、道の駅の規模の割には、トイレが充実しているという印象を受けました。レストランなどはありませんが、房総半島を走る際の小休止には調度良い場所だと思います。

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休憩後、県道24号線を進み、鴨川有料道路(二輪:150円)を通り、国道128号線(通称:外房黒潮ライン)へと抜けます。今回は、県道24号線と国道128号線との交差点にあるガソリンスタンド(ENEOS)を給油ポイントとしました。給油後は、128号線を南下し、海沿いを走ります。128号線沿いには、複数の海水浴場があります。いずれも水が綺麗ですが、外海ということもあり、少々波が高い傾向にあります。

今回は、「日本の快水浴場88選」(海水ではなく快水)にも選ばれている和田浦海水浴場近傍の道の駅「和田浦WA・O!」にて、2回目の休憩をとりました。道の駅「和田浦WA・O!」の特徴は、何と言っても、巨大なシロナガスクジラの原寸大骨格標本が飾ってあるところです。骨格標本からも察しがつくように、和田浦は、鯨で有名です。この道の駅内にも、鯨に関するお土産や料理が沢山売られていると共に、捕鯨に関する資料館なども併設されています。

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今回我々は、道の駅「和田浦WA・O!」にて休憩と買い物をした後、道の駅近隣にある「ぴーまん」にて、鯨の漬け丼と、鯨の串カツをいただきました。「ぴーまん」の駐車場には、鯨塚というものが建てられていました。鯨塚は、鯨の供養と安全祈願、大漁祈願を願って建てられたものだそうです。神社や観光地ではなく、私有地らしき場所にひっそりと祀られている石碑は、街の暮らしと鯨との関係の深さを感じさせてくれます。ちなみに、サブタイトルにも記載した「勇魚(いさな)」とは、鯨の古名だそうです。大海原を泳ぐ雄大な姿から、このような呼び名がつけられたと言われています。

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昼食後は、再び国道128号線を南下し、稲交差点の信号を右折して、安房グリーンラインに入ります。安房グリーンラインのうち、128号線から県道296号線へ抜ける区間は、ほぼ直線で、左右に田園風景が広がります。

今回は時間の都合上、県道296号線との交差点を左折し、国道127号線を目指しました。県道296号線を直進して現れるT字路は、左右どちらへ進んでも、127号線へ出る事ができますが、今回は、127号線を北上する予定であったため、T字路を右折し、次に信号のある交差点(那古)を右折することで、国道127号線へと入りました。海沿いへ出るまでの127号線は、途中に、富津館山道路のICがあるため、夕方には、大型バスやファミリーカーなどによる混雑が予想されます。

国道127号線を進み、多田良の交差点に出た後、これを右折して、127号線(通称:内房なぎさライン)を北上します。127号線沿は、1本道であり、かつトンネルが多い道ですが、信号が少ないため、夏場以外は、比較的スムーズな流れが期待できます。

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国道127号線沿いには、内房の見所が沢山存在します。このあたりの見所は、前回のツーリングのレポート「東京湾を臨む千葉県内房ツーリング」を参照いただければと思います。今回のルートでは、帰路である国道127号線については一気に北上し、国道16号線を目指しました。国道16号線には、国道127号線を道なりに進むことで到達することができます。国道16号線に入った後、袖ケ浦ICから、東京湾アクアライン連絡道路へ入り、東京湾アクアラインの海ほたるパーキングを目指します。ここで、休日夕方の東京湾アクアラインというのは、朝方には通行時間帯が分散されていた車やバイクの帰宅時間帯が重なることとなり、かなりの渋滞が予想されます。渋滞に苛立つ運転手等もいるかと思われますので、冷静な判断が出来るよう、気持ちを落ち着かせるようにしましょう。

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夕方の時間帯、海ほたるからは、綺麗な夕日を見ることができます。海辺から臨む夕日は、山際で見るそれよりも淡く、トワイライトという言葉が似合います。

そんな黄昏時を十分に楽しむ事で渋滞の疲れが癒された頃、海ほたるには、木更津側へと延びる長い光の尾が出来上がっています。海ほたるは、ガソリンスタンドこそ無いものの、食事スペースや休憩スペースが充実しています。時間に余裕がある方は、道路状況の改善を待って帰路に就くのも良いかもしれません。

一方、やむを得ず、渋滞の中に飛び込む場合には、自身の体力も把握して、十分に気を付けたライディングを心がけて帰路に就くようにしましょう。

立ち寄りポイント・スポット紹介
  • ● 道の駅ふれあいパーク・きみつ(千葉県君津市笹字椿1766-3)
  • ● 道の駅和田浦WA・O!(千葉県南房総市和田町仁我浦243)
  • ● ぴーまん(千葉県南房総市和田町仁我浦114)

レポーター プロフィール
プラムフィールドさん
所有バイク/DUCATI S2R800
さまざまな車種を乗り継いできましたが、結婚を期にすっかりバイクから遠ざかってしまっていたところ、昔あこがれていたバイクに偶然出会い、気軽に楽しむをモットーに復帰したリターンライダーです。

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