銚子 外川散策ツーリング

掲載日:2011年10月12日 ツーリング情報局関東エリア    

投稿者/小林ヨウスケさん | 取材日/2010年 秋

ツーリング情報局

歴史ある漁港と街並みが広がる
銚子・外川を散策してまわる

千葉県銚子市にある外川を訪れました。何年か前に、ここを走る銚子電鉄がメディアの注目を浴びていたので、知っている方も多いと思います。実はこの外川。銚子漁港が整備される前までは、銚子における漁業の中心として栄えた歴史ある街なのです。

 

外川の港が整備されたのは、江戸時代初期の1658年。紀州(紀伊国/現在の和歌山県)出身の崎山治郎右衛門の指揮によるものです。銚子沖というのは、暖流と寒流、さらには利根川の真水が混じる大陸棚の上、という世界でも有数の漁場であるため、古くから日本各地の漁師がやって来ました。治郎右衛門も例外ではなく、大坂や堺で多く取り引きされている干鰯(鰯を乾燥させて作る肥料)の原料となる鰯を求めて銚子にやって来た、多くの紀州人のひとりです。

 

好漁場である銚子沖は、同時に海の難所でもありました。歴史的に見ても千人規模の犠牲者を出した海難事故が何度か起きています。治郎右衛門も事故に遭い、ここ外川周辺の人々に助けられた事から、その恩返しにと地域の整備に努めました。そして、築港と同じくして、碁盤目状に造られた街に治郎右衛門と共に多くの紀州人が移住してきたとの事です。

 

 

銚子電鉄の最終地点である外川駅。廃線の動きがあるらしいですが、風情のある路線なので、存続させてほしいです。

銚子電鉄の最終地点である外川駅。廃線の動きがあるらしいですが、風情のある路線なので、存続させてほしいです。

縦に下る丘から港への道は海を眺めながらの道。車がやっと一台通れる程の坂道です。等高線に沿っての道は各家庭へと続く道。人がすれ違えば袖が触れ合いそうな路地です。これらの街の構造が、今日でもほぼ原型をとどめて残っているのは、空襲を受けていないためです。銚子は東京への食料基地としての役割があったので、戦時中は米国軍による空襲を受けているのですが、幸いな事に半島の反対側にあるここ外川は、それを逃れています。

 

そんな外川の街を散策する際に、ぜひ訪れてみたいのが、「外川ミニ郷土資料館」。活魚問屋である島長水産の店舗先にあり、無料開放されています。外川で生まれ育った館長の島田泰枝さんが、街の歴史をご自身の体験を交えてお話ししてくれます。

 

 

外川ミニ郷土資料館にて、銚子の歴史を感じ入る数々の展示物を堪能。

外川ミニ郷土資料館にて、銚子の歴史を感じ入る数々の展示物を堪能。

街歩きの起点として、まずここに寄って知識やマップを仕入れてから散策を始めると、街歩きが一層楽しくなること間違いでしょう。

 

今回のツーリングルート

銚子電鉄 銚子駅→銚子港→銚子電鉄 外川駅 → 外川ミニ郷土資料館


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スポット紹介

外川ミニ郷土資料館

所在地/千葉県銚子市外川町2-10610

電話番号/0479-22-1544(銚子観光協会)

営業時間/10:30~15:30

定休日/火曜、水曜

入館料/無料

URL/WEBサイト

小林ヨウスケさん Yousuke KOBAYASHI (BMW BIKES Correspondent)
プロフィール
小林ヨウスケさん
Yousuke KOBAYASHI (BMW BIKES Correspondent)

1973年/静岡県生まれ。2009年に転勤のため千葉へ。山間の集落や、海辺の漁村などをノンビリとツーリングし、
土地ならではの食材や地酒探しをするのが一番の楽しみ。天下無敵の雨男のため、仲間からのお誘いがすっかり減ってしまったのが最近の悩み。

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