佐原~鹿島を走る

掲載日:2006年12月27日 ツーリング情報局関東エリア    

旧佐原市~鹿島。歴史と伝統を楽しむ
ツーリングコースを走ってみましょう

イメージこんにちは、関東編担当のトミーです。

少し寒くなってきましたが、世間では早くもクリスマスの飾りつけが始まりましたね。それに釣られて我が家ではコタツが登場しました。年々クリスマスの雰囲気が、漂い始める時期が早くなっているような気がするのは歳のせいでしょうか? さて今回は、関東では定番のツーリングコースですが、佐原~銚子~鹿島をご紹介します。

まず、最初のスポットは千葉県香取市(旧佐原市)です。都心方面からお越しの際は、東関東自動車道の佐原香取ICを利用すると、とても簡単にアクセスできます。茨城県側からお越しの際はR51水郷大橋を渡ってR356を左折です。佐原は江戸時代、利根川の水運を中心として大変栄えたところ。「北総の小江戸」と呼ばれ『お江戸見たけりゃ佐原へおいで、佐原本町、江戸まさり』と謡われるほど豊かな町でした。そんな当時の豊かな商家が建てた蔵や家が、町の中心に流れる小野川に沿って今も残されています。風情豊かな景色を作り出して、あたかもタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。また「街全体、そのものが博物館」をイメージにして、重要伝統的建造物群保存地区を中心として商家などが保存されています。先祖代々受け継がれてきた暮らしの道具やお宝を各家で展示するプロジェクトも展開されていて、「伊能忠敬記念館」をはじめ今は28館が公開中です。

佐原の市街地、とくにJR佐原駅南側は昔ながらの街並みが楽しめる一方で、全体的に道幅は狭めで一方通行が少なくありません。入り組んでいる箇所も多いので、マスツーリングやゆっくり楽しみたい方などは、バイクを停めて徒歩で散策もいいかもしれませんね。

地球の丸さを感じつつ
ぬれ煎餅でホッと一息

イメージ江戸情緒を堪能したところで、次は銚子を目指しましょう。雄大な利根川の流れに沿ってR356(通称:利根水郷ライン)を東へ進みます。今回は途中で少し寄り道をしてみました。小浜工業団地付近の広大なキャベツ畑の中で、とても大きな風車群が見られます。銚子は海に突き出た地形をしていて、周辺に高い山がないので年間を通じて風が強いそうです。この地形と風の特性が風力発電に適しているので、多くの風車が建っています。ちなみに、この地域の年間平均風速は6メートルくらいだそうで全国の約7割の地域が2メートル程というのですから納得です。

さて、風車群の幻想的(!?)な景色を眺めたら、R126から海沿いを通って犬吠埼へ向かいましょう。次に紹介するスポットは「地球の丸く見える丘展望館」です。ここは銚子市内で一番高いところにある展望台で、水平線がたわむ360度の大パノラマが堪能できます。施設名にふさわしく、自分の目で「地球は丸いんだなぁ…」と実感できますよ。晴れた日には筑波山や富士山までもが見ることができますが、見える景色の約90%が水平線だということに驚かされます。ここの最大の魅力は何といってもガラス越しではなく、体で風を感じながら景色を楽しめること。晴天時は日没まで開館しているので、ぜひ立寄ってもらいたいスポットです。写真は展望間から見た屏風ヶ浦です。波によって浸食された高さ40mの断崖が、約10kmにわたって続くさまは「東洋のドーバー」と呼ばれています。先ほど通ってきた風車群も見えますね。その他、立ち寄ってみても面白い眺望スポットを挙げると、灯台好きの方は「犬吠埼灯台」。見る・食べる・買う、を1ヶ所で、楽しみたい方は「銚子ポートタワー」などに立ち寄っても面白いでしょう。

イメージ次は銚子のお土産をGETしに行きましょう! 今回は銚子電鉄仲ノ町駅そば、県道37号線沿いの「ぬれ煎餅のイシガミ 新生店」へお邪魔しました。さて、みなさんは銚子名物「ぬれ煎餅」というものをご存知でしょうか? 最近、雑誌やテレビで、紹介されじわじわと知名度が上がってきています。お煎餅といえば、一般的には硬いものを想像すると思います。しかし、このぬれ煎餅は名前の通り少し濡れていて軟らかいのです。もともと硬い煎餅が湿気たものは美味しいはずはありませんが、逆転の発想とでも言うのでしょう。湿気た状態で食べることを想定して作られたこの煎餅は、とてもおいしく独特の食感が癖になります。こちらのイシガミさんではインターネットで地方発送もしていただけるので、興味のある方はぜひ利用してみてください。ここで素朴な疑問がひとつ。「ぬれ煎餅は、なぜ銚子名物なの?」その答えは意外と単純でした。古くから銚子は醤油の町として知られているように、大きな老舗メーカーが2社もあります。ぬれ煎餅は普通のパリッとした硬いお煎餅を作るより、多くの醤油を使うことから、醤油の調達が容易な銚子での名物となったようです。

プロスポーツ選手が
多く訪れる鹿島神宮

イメージお土産もGETし、疑問も解決したところで次なるスポット鹿島神宮へ向かいます。銚子大橋からR124を鹿島方面へ。佐原から銚子へ向かった利根水郷ラインは、ちょうど利根川を挟んで対岸です。R124はグリーンベルトもある片側2車線のとても広い快走路ですが、スピードの出しすぎには注意しましょう。今回は時間の都合上R124から鹿島を目指しましたが、時間に余裕があれば「鹿島シーサイドウェイ」が眺めの良いストレートが続くのでお勧めです。銚子大橋を渡ったら「波崎海水浴場」を目指してすぐ。鹿島灘(太平洋)沿いに整備されていてきれいな道路ですが、一部区間では台風の前後などに海が荒れると波が道路まで届きます。それくらい海を間近に走れるということですので、普段はとても景色のいい快走路ですよ。

さて、R124を30kmほど進むと「鹿島神宮樹叢」が見えてきます。鹿島神宮の創始は(諸説いろいろありますが)紀元前660年ころとされています。香取、息栖(いきす)とともに東国三大社に数えられており、境内の楼門(阿蘇神社、箱崎宮と並び日本三大楼門のひとつ)、本殿、奥宮はいずれも国の重要文化財に指定されています。鹿島神宮に祭られている神様は武芸の神様であることから、千葉県香取市の「香取神宮」と並び武術の神様として古くから祭られてきました。武道の道場などに「鹿島大明神」と書かれた掛け軸がかかっていますが、あれば鹿島神社に祭られている神様のことです。また、毎年春には鹿島アントラーズの選手が必勝祈願に訪れるほか、多くのスポーツ選手が参拝に訪れます。ちなみに鹿島アントラーズの「アントラー」は鹿の枝角のこと。鹿島神宮には鹿園があり、神の使いとされている日本鹿が数十頭も飼育されています。

駆け足で紹介してきましたが、あえて食処を紹介しませんでした。佐原ではサツマイモや香取神宮の草ダンゴが有名ですし、銚子ではもちろん全国屈指の漁港ですから海の幸ですね。とくにイワシやサバはお勧めです。地酒もおいしいですね(飲酒運転は絶対にダメですよ!)。おいしい香りにつられて食べ歩きなんていうのもなかなか面白いかもしれません。それではまた次回お会いしましょう。

>> 今回のルートマップはこちらから

スポット紹介

地球の丸く見える丘展望館

住所/千葉県銚子市天王台1421-1

電話/0479-25-0930

営業/9:00~17:00 (10月~3月)

営業/9:00~18:30 (4月~9月)

休日/年中無休(荒天時休館の場合あり)

入場/大人300円、小・中学生150円

URL/地球の丸く見える丘展望館

ぬれ煎餅のイシガミ 新生店

住所/千葉県銚子市新生町 2-2-17

電話/0479-25-7181

営業/9:00 ~18:30

休日/元旦以外年中無休

URL/ぬれ煎餅のイシガミ 新生店

トミー
プロフィール
トミー

茨城県在住の29歳。04年式ハーレーダビッドソンFLSTF所有。生まれてはじめて乗るバイクでいきなりハーレーを選択した猛者。天候に関らず、走り回るけれど洗車好きなため、いつも愛車はピカピカ。

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