鈴鹿山脈、春風とともに

名神高速の京都東インターは、西に京の都、東が近江と、それぞれの玄関口のような場所にあります。今回は、そこから進路を東に取って、国道１号線を近江方面へ向かいました。しばらく京阪電車と平行して走る、東海道五十三次にも描かれたとされる月心寺の前を通り、小さな峠を越えると大津市街。琵琶湖に注ぐ瀬田川の手前で内陸に進路を取り、瀬田の唐橋を渡ります。長い歴史のなかで幾度となく掛け替えられたこの橋は、今も昔も東海道の顔です。

国道１号線に戻り、草津、栗東を過ぎて、野洲川沿いを東へ。この辺りは、随分バイパスの工事が進んでいます。東海道水口の宿を通過し、甲賀市の土山支所前交差点を左折。県道９号線に折れ、鈴鹿スカイラインへと進みます。途中、青土ダム周辺の道路は、心地良く走れるポイントなんです。

東海道『瀬田の唐橋』は、日本三名橋・日本三古橋のひとつ。四日市三滝川の河口付近で振り返ると、晴れていれば鈴鹿山脈を見渡すことができる。右手の柔道場から出てきた少年達が元気に走りまわっていました。

国道 477 号線に出たら右折。ダム湖を過ぎるとタイトコーナーが多くなります。標高が上がるとともに小雨も降り出してきました。体は濡れていないのですが、指先が冷えてきます。濡れた路面に注意しながら、さらに進みます。春頃に走れば、どれだけ楽しいだろうか……と、葉の無い山桜を目にして思わず想像してしまいます。つづら折れの山道を走りトンネルを抜けると、視界が広がり三重県側に出ました。最高地点付近の駐車場。天気の良い日は濃尾平野と伊勢湾の景色が楽しめるのですが……。

小雨がみぞれに変わるほどの悪天候のなか、写真を撮っていると、サイクリストが息を切らして目の前を通過して行きます。「この先、下りですよ～！」と声を掛けたら、笑顔で応えてくれました。

鈴鹿スカイライン。三重県側の駐車場にて。当日は寒気の影響でみぞれが降るあいにくの天気。シャッターを押す手が震えています。ブルブル。

鈴鹿スカイラインを下り、標高が低くなるにつれ、気温も上がり日差しも出てきました。国道 477 号線の終点で国道１号線と交差。さらに川沿いを東へと進み、国道 23 号線手前の土手で来た方向を振り返ると、越えてきた鈴鹿山脈の峰は雲に覆われていました。

国道 23 号線に出たところで、空腹を覚えました。さて、昼飯だ。そうそう！ バイク仲間の、ことちゃん夫婦に教えてもらった食堂がこの辺りにあったと思い出しました。５km ほど北向きに走り国道を右に折れたら、ありました！ その名も 『ひもの食堂』。暖簾をくぐり、まずは品定め。どの干物も美味しそうです。すこしだけ悩んで、昆布さばと、つぼ鯛の干物を選んで定食としました。魚が焼き上がり、お盆を受け取る。赤だしが冷えた体に染み入ります。一息付いたところで、焼きたての昆布さばをいただく。これこれ！ つぼ鯛も美味じゃ～！ お店のお姉さんから「兄ちゃん、綺麗に食べたなぁ～。これなら魚も喜んでるわ～！」と声を掛けられ、照れ笑い。

ブラジリアン料理のお店 『Bell Mart』 では、イートスペースで気軽にブラジルフードを楽しむことも出来ます。自慢のランチは、1,500 円で食べ放題。食べ応えバッチリなうえに美味しい。特にスモークサーモンが絶品！