アメリカン・ビッグレジェンド『BELL』再上陸!

Photo:木引繁雄(SKP)/中尾省吾/前川健彦/石橋知也/Roadrider ArchivesText:石橋知也
記事提供:ROADRIDER編集部

掲載日/2013年4月26日

1954年創業。1958年から世界初のジェットへルメットBELL500を市販開始し、1967年には世界初となるフルフェイス、スターを発売。
そしてケニーやエディが被った憧れBELL。それが最新仕様であの雰囲気のまま現れた。

黄色いケニーのスターⅡ、赤いエディのM2

あの頃、そうケニー・ロバーツがインターカラーイメージのままグランプリの500にフルエントリーを開始した1978年、ベルは本当に輝いて見えた。アメリカ製で、しかもケニーが被っている。ケニーのグランプリ用ベルは、AMAのダートトラックをXS650改/750で走っていた頃のストロボラインのインターカラーと違って、アメリカンイーグル=白頭鷲がデザインされ、正面にはベルとグッドイヤーのステッカーが貼られていた。そのモデルはスターⅡで、ケニーとアメリカに無条件で憧れていたヤツらは、上野ではちょっと高かったけれど、バイト代を貯めて無理して買ったものだった。これを被って、ヒザにアメリカ製の銀色のガムテープを貼れば、ケニーのようなハングオンが出来るんじゃないかと夢見たのだ(僕=石橋は日本ではとても買えず、1978年にアメリカで何とか手に入れた)。

実際、アメリカでもわかっている風のストリートライダー、DGのラジアルフィンヘッド付きRD400とか、GS1000とかに乗っているヤツらにスターⅡは多かった。

ケニーは1979年にツナギをベイツ(グランプリではワッペンはなしだったけど)からイタリア製ダイネーゼに換え、ちょっとビックリした。でも、ヘルメットはベル。それが1980年にagvになった(イエローで白頭鷲も描かれてはいた)。個人的な話だけど、ここでケニーへの憧れはだいぶ薄れ、グランプリ史上最高のシーズンといわれるケニー対フレディの1983年は、マールボロカラーで、全然憧れのケニー・ロバーツではなくなってしまった。

マールボロカラーのベルは、エディ・ローソンなのだ。AMAのカワサキ時代のベルも悪くはないけれど、やっぱりグランプリのM2だ。これも個人的な話だけれども、僕もこの頃M2レーシングを被っていた、仕事もあってエディとはヘルメットの話を随分した。1984年に世界チャンピオンを獲った後もベルのレーシングサービスはいなくて、エディが自分でメンテナンスしていた(アライは毎戦来ていた)。転ばないエディはヘルメットを壊さず、市販品よりずっとぶ厚いシールドを交換するだけ。でも、エディのグランプリ用は帽体も内装もまるで違っていた。持たせてもらった手が思わず上がるほど軽い!!

「カーボン製。疲れないよ、軽いからね。ひとつあげるよ」

と言われたけど、サイズが全然小さくて(おそらくSぐらい)被れそうにないから遠慮した。これは10年ぐらい経ってすごく後悔した。で、あのカーボンM2は、後に10数万円だかで市販されることになる。エディのM2スペシャルは、内装も黒っぽいのと赤があって、これは「ベルの担当者の意向。シーズン半ばで切り替えるらしいよ」と本人。

半シーズンで3個供給されたと思う。これが1986年の話。その後エディは1988年途中でショウエイに。でも1993年、デイトナ200にバンス&ハインズカラーで現れたときはベルだった。それもインディカーに使うような空力用突起(カラスの足跡)付きの、これまたカーボンの超軽量。どうして、またベル?

「昔からの知り合いがいてさ。このデザインもベルの人のだよ」

そう。ケニーのもベルのデザインだっていう。で、この4輪風ベルは、その後スコット・パーカーなんかもダートで使っていた。やっぱりアメリカ人はベル。ウェイン・レイニーのアメホン時代のM2も良かったし、MXのヒーロー、稲妻マークのボブ・ハンナのモトⅢも最高だった。FRP製ヘルメットの原型となった世界初のジェットヘルメットの500や、世界初のフルフェイス、スターを生んだ歴史よりも、やっぱりケニーやエディが被っていたこと。それが僕らのベルの歴史なのだ。

左は1985年WGPのエディで、中は1986年デイトナ200のエディ(FZ750)。右後ろにはアメホンVFR750Fのレイニー。右は1981年のエディ(KZ1000J)。帽体はいずれもM2ベース。1986年仕様はカーボンの超軽量スペシャルで内装は固定式。シールドは3mmはあったと思う。レイニーは1987年まで、エディは1988年シーズン途中までベルを使用した。エディは1993年デイトナで再度ベルを被り、同年のスズカ8耐予選まで使った

M3J

M2などBELLの伝統スタイルを受け継いだノスタルジックな帽体デザインに最新技術を備えた日本仕様が、このM3J。バイク専用ヘルメットとして不可欠なシールド強度を3.2mm厚で実現するなど、安全性能も見直したスタンダードモデルだ。UVカット&ハードコートのクリアシールドを標準装備。サイズはS(55~56㎝)/M(57~58㎝)/L(59~60㎝)/XL(61~62㎝)/XXL(63~64㎝)、カラーは2パターン3タイプ。価格はソリッドが3万5,700円、レジェンドが3万9,900円


最もケニーらしい1978年。スターⅡと白頭鷲デザインはこの年から。この頃はベルに限らず、すき間風対策でシールドをガムテープで留めた。ケニー愛用のスコッチ3Mテープは以後ヤマハの常備品となった

  • SOLID WHITE
    価格/3万5,700円

  • LEGEND
    WHITE/GREEN

    価格/3万9,900円

  • LEGEND
    WHITE/RED

    価格/3万9,900円

M5XJ

現代的な高剛性と高機能を搭載。時速200km以上の高速域でもライダーの視界を確保するために設計/開発されたFRPシェルとシールドを組み合わせた、日本仕様(末尾のJで表示)のハイエンドモデルがこのM5XJ。UVカット&ハードコートのクリアシールドを標準装備。サイズはS(55?56cm)/M(57?58cm)/L(59?60cm)/XL(61?62cm)/XXL(63?64cm)、カラーは2パターン7タイプで、価格はいずれも3万9,900円


1982年レイニー。正面に文字は同年まで。1983年はカラーリングが変わる。アメホン時代の1986年と1987年でもデザインが違う

  • DAYTONA
    WHITE/RED

    価格/3万9,900円

  • DAYTONA
    BLACK/WHITE

    価格/3万9,900円

  • DAYTONA
    WHITE/BLACK

    価格/3万9,900円

  • DAYTONA
    BLACK/ORANGE

    価格/3万9,900円

  • INDY BLUE
    価格/3万9,900円

  • INDY BLACK
    価格/3万9,900円

  • INDY RED
    価格/3万9,900円

50年以上の歴史を持つアメリカ伝統のヘルメットブランド 『BELL』
バイクブロスのWEBマガジンでBELLの“歴史”を読む

購入はBELLヘルメット取扱代理店で!

新しいBELLは、ライダーの安全を常に第一に考えるポリシー“YOUR BEST PROTECTION”に基づき、購入の際はBELLヘルメット取扱代理店へ行くことを推奨している。スタッフがユーザーと相談しながらフィッティングを確認し、最適な内装に変更したものを用意する。右は日本仕様BELLの広報担当、アクティブの小山さんだ。

■BELLヘルメットの問い合せ先=アクティブ
〒470-0117愛知県日進市藤塚七丁目55番地
電話/0561-72-7011
※BELLヘルメット取扱代理店はアクティブのHPで確認できます