『ウェア屋さんのひとりごと』

ハチタイを終えて(完結編)

掲載日:2012年08月23日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

いよいよ決勝のスタートです。普段の全日本選手権なら、決勝が始まってしまえば自分たちの出番は終わりですが、8時間という長丁場のレースでは、アクシデントに対応して再スタートといったことも珍しくありません。そのため、決勝中はモニターや実況に耳を傾け、不測の事態にも直ぐに対処出来るように準備をしています。序盤のレース展開は予想通りハルクプロ、モンスターエナジーヤマハ、ヨシムラ、TSR の4チームが激しいトップ争いを展開し(詳しくはこちらで)、約1時間を経過しようかという頃にはライダー交代が行われ、我らが秋吉選手も3番手でコースイン。その後トップを奪い、「よっしゃ、これから!」という矢先…

何故か秋吉選手のペースが急激にダウンし、関係者はもちろんですが、その時点では状況を把握していない実況も混乱気味に。さらに「 “ドリンク” と書かれたサインボードが出されています。秋吉選手の給水システムに何かトラブルが発生したのでしょうか」というアナウンスが耳に飛び込んできました。私も “万が一” を考えながら急いで TSR のピットに向かいますが、はて…実際にそうならピットサインではなく、選手自身からアナウンスがあるはずだと思い直し、ピットクルーに “ドリンク” のサインを出した意味を聞いてみたところ…

「秋吉選手はライディングに集中すると、自分で水分補給を忘れてしまう事があるので、定期的にあのサインを出しているんですよ」というお話。主にメインストレートで出されるサインボードには、選手によってタイムや周回数、順位、残り時間などの情報が伝えられますが、「水飲め!」というサインは初めて聞きました。ちなみにこのサイン、他にも出している選手が居るんだとか。

さらに時間が経ち、デグナーカーブでの転倒がモニターに映し出されました。ホンダ学園の古澤選手がハイサイドで激しく転倒した所へ、直後を走っていたチーム 38 の選手が巻き込まれた様です。転倒の様子から見てリタイヤかと思った矢先、激しくダメージを受けたスーツが届けられ、修理の要請を受けましたが、次のコースインまでは約1時間。すぐに “どの部分を、どの様に修理するか” を決めて作業を行い、時間内にホンダ学園のピットへスーツを届けることができました。後日お話を聞いたところ、短時間でスーツを修理したことに対し、生徒さん達はえらく驚いていたそうですが、かなりのダメージを受けたマシンを再スタートできるまで修理した生徒さん達も立派だと思いましたね。

結果としては、秋吉選手のチーム(F.C.C.TSR HONDA)が優勝し、手島選手(TOHO Racing with MORIWAKI)が2位と、RS タイチのスーツを着用した選手が2名、表彰台を獲得しました。まあ、今年のハチタイはほかにも色々なことがあり、本当に「疲れた~!」の4日間でしたが、結果が良ければ疲れも吹き飛ぶというものです。

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