『ウェア屋さんのひとりごと』

そろそろ衣替えの準備を

掲載日:2012年04月26日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

オートバイで走っていると、まだ朝晩は肌寒く感じることもありますが、関西だと日中は汗ばむほどの陽気になる日も多く、中綿入りのウェアは “お役ご免” になってしまいそうです。とは言えここ数年は “気温の低い春” から一気に夏へ突入する事も多く、ウェアの温度調整も難しくなってきましたね。こういった気候の変動が激しい時期こそ、今まで何度かお話をしてきた “レイヤリングによる温度調整” が効果を発揮します。薄手のウェアやインナーを複数で組み合わせながら、その時の気温に合わせて快適なライディングを楽しみたいものですね。

これからもっと暖かくなれば、さすがに “ごっつい中綿” の入ったウェアは必要無くなりますから、当然のことながら次のシーズンまで片付けちゃいますよね。その際、冬物は非常にかさばってしまうからと言って、衣装ケースの中にギュッと押し込んだりしていませんか? この様な形で約半年もの間、寿司詰め状態で保管してしまうと中綿が押しつぶされてしまい、保温機能を保つために大切な空気の層が少なくなってしまいます。それによって保温効果が低下しやすくなるのはもちろんですが、表生地にもしわになる箇所が多くなり、防水素材であれば裏面のコーティングや、縫い目の裏に貼っているシームテープにダメージを与える可能性もあります。湿気も溜まりやすく、臭いやカビの原因にもなるので “良いこと無し” ですよね。

それでは、どの様に保管しておけば良いの? と言っても、使用頻度が皆無となるウインタージャケットは、奥様方に押入へ片付けられてしまうといった現実を抱えている方も少なくないでしょう。かくいう私もその一人で…。それはさておき本題へと移りますが、まずはシーズン中に付着した表面の汚れを手洗いでキレイに落とします。黒いウェアなので汚れが目立たないと感じても、“ライダーたるもの清潔が大事” ということを忘れず、しっかり汚れを落としておきましょう。詳しい方法に関しては、『さりげなく、格好よくあるために…』をご参照下さい。お手入れが終わった後はハンガーに掛けて保管しますが、ライディングウェアには丈夫な生地やプロテクター等が装着されているため、一般的な衣料より重量が基本的には重たくなりがちです。そのため前後に厚みがあり、しっかりしたハンガーを使用して、よく言われる “湿度が低く、直射日光の当たらない場所” に保管してください。

大切なウェアを良いコンディションで気持ちよく使用していただくための心配りですが、“奥様との交渉” という高い壁があるという方は、今シーズンこそ挑んで? みてはいかがでしょう。

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