『ウェア屋さんのひとりごと』

レインウェアは事前のチェックを怠りなく!

掲載日:2012年05月10日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

レインウェアというアイテムは地味に思われがちですが必需品とも言えるライディングウェアです。このレインウェア、実際には使用頻度が低く、中には年に数回しか使用しない方も珍しくないと思いますが、皆さんはレインウェアを使用しない間はどの様に保管されていますか?

前回も少し触れましたが、コンパクトな収納袋に強くたたんで収納したままにしておくと、縫い目の目止めに使用しているシームテープや防水のコーティングを傷めやすく、湿気も溜まりやすくなるのでお勧めできません。使用しない間は出来るだけハンガーに掛けておくなど、生地に折れや圧迫等のストレスを与えない様に保管しておくと良いでしょう。

ただ、使用しない間も素材の劣化は確実に進んでいきます。レインウェアの場合は、前述したシームテープや防水コーティングの剥がれといったもので、これらは製品が生産されてから2年ないし3年程度を経過した頃から発生しやすくなる症状と言えます。

この様な劣化、少しでも抑えたいのは当然のことですよね。そのためには湿度を低く、清潔さを保つといった基本的な保管条件を確保しておくことで、良好なコンディションをより長く維持することができます。とは言えみなさん個々で使用から保管に至るまでの条件は異なるので「どうすればどれだけ・・・」といった確約は出来ないのが難しいトコロなんです。

さて、タイトルにある”事前のチェック”についてですが、レインウェアでは特に、股部分は常に大きな荷重を受けている部分で、生地や縫い目は常に過酷な状況にあり、レインウェアの中では最も水漏れしやすい箇所でもあります。そこでまず、裏返しにして縫い目に貼っているシームテープの状態をチェックしてみます。もしテープが浮いている様に見える箇所があれば、そこから浸水する可能性は充分にあるのでショップやメーカーに相談をするか、時間が無ければ該当個所にアイロンを軽く当ててみることで、テープの再接着ができる場合もあります。この作業は慣れるまで低温(~中温)で、少しずつ当てながら様子を見てください。それでもダメな場合は応急的に裏からテープ等で応急処置を施し(漏れない保証はできませんよ)、使用後に改めてメーカー等に相談してみましょう。レインウェアの劣化は知らないうちに突然”水漏れ”という症状で発覚しますが、使用前にチェックしておくことで不快な思いをせずに済むこともあります。場合によっては製品自体が”寿命”を迎えている可能性もあるので、本格的な梅雨シーズンを前に、シッカリと雨対策を済ませておきませんか。

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