『ウェア屋さんのひとりごと』

ウインターライディングは薄着の時代!(つづき)

掲載日:2011年12月15日 タメになるショートコラム集ウェア屋さんのひとりごと    

Text/Junichi FUJIMOTO ( RS TAICHI )

いやいや、近頃は周囲に設置されている外気温計が2℃とか0℃とかを指していて、いよいよ本格的な冬の到来を感じるようになりました。インナーのお話も、さっさ進めていかないと “役に立たない” お話になってしまいますね!

前回は “発熱機能” に代表されるアンダーウェアの特長や着用方法について大まかにお話をしましたが、その中で触れた、“素肌の近くに着用する” について少し突っ込んでみましょう。

夏用のアンダーウェアでも同じですが、生地そのものに気化熱や発熱といった機能がある場合、素肌に密着した状態で着用することで効果を実感しやすいのはお分かりいただけるかと思います。また、冬用のアンダーウェアにもコットンを上回る速乾性があり、汗冷えを抑えるといった意外な? 効果があるのをご存じでしょうか。特に防寒性の高いウインタージャケットを着用した場合、走行風を受けない停車時にはジャケット内の温度が上昇し、背中や脇下等は発汗しやすい状況になりがちです。その際に水分を吸収、保持しやすいコットン等の素材が間に入った場合は、次に走行し始めた際に保持した水分が冷えてしまい、寒さを感じやすくなるため、異素材はできるだけ上に着用することが大切になります。

ちなみに、そこそこ値の張る高機能素材では、本来の目的である発熱や保温効果が非常に優れているのはもちろんですが、速乾性や防臭機能、肌にやさしい pH コントロール機能等を合わせ持ち、単に暖かいだけでなく、着用時の快適性にも配慮されています。最近はどのメーカーの謳い文句を見ても同じ様な特徴が書かれていますが、う~ん、書かれている機能個々のレベルまでは分からないので、購入時に見て、触って、それでも実際に使ってみないと分からないというのが私の本音です…。

また、“モーターサイクル用” として販売されている製品では、身体の部位ごとに必要と想定される防寒性の高さや素材の厚み等を考慮しています。そのため、一般アパレルメーカーで作られている製品とは着用時に得られるメリットは異なるので、ある程度の洗い替えが必要となる普段着とは使い分けるとイイでしょうね(私はその様にしています)。

ただ、これらの製品も決して “いいことづくめ” という訳ではありません。高機能アンダーウェアは全て “化学繊維” で作られているため、静電気が発生しやすかったり、体質的に化学繊維を受け付けない方にとってはかゆみ等の原因となる場合もあります。その様な場合には保湿クリーム等を塗ってみるか、お話の内容とは逆行しますが、コットンの長袖シャツを中に着てみると解決できる場合もあります。このあたりは個人差も大きくなるので、“Yahoo知恵袋” 等のQ&Aを参考にされてはいかがでしょう。

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