『バイク乗りの勘所』

怒れ! ライダーたち

掲載日:2014年08月04日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

先日、そこそこ交通量の多い、市街地の片側2車線道路を走行中のこと。左車線の車列をパスしようとして、大型バイクが右車線に出た。私も続いて右に出、バイクの後方に従って走っていたところ、後方から接近してきたミニバンが、隙を縫って左側から我々2台を抜き、バイクの直前で右に進路変更、続いて右折にかかった。が、対向車が多く、ミニバンは道路の中央で斜め向きに停止。『イ』の字のような格好で、バイクと私の進路を妨害してくれた。

私がバイクのライダーなら、最低でもホーンを鳴らしたり中指を突き立てたり、場合によっては即座にバイクから降りてミニバンに駆け寄り、タイヤに蹴りのひとつでも入れてやるところだ。しかし、目の前のライダーは抗議の素振りはまったく見せず、まるで普段の信号待ちのように大人しくミニバンが去るのを待ってから、何事もなかったかのように走行を再開した。私は、ミニバンにはもちろんだが、目の前のライダーに対しても激しい憤りを感じた。

怒れとは言わないが、何らかの意思表示をすべきである。危険かつ迷惑な行為だと思わずにしている相手に対してであれば、危険かつ迷惑だと伝える必要があるが、おそらくこの場合は、わかりきってやっているのだろうから、その必要はない。ただ、黙って見過ごす者ばかりではないことを示す必要はある。まわりの者が皆、やられ放題では、相手はますますつけあがる。目前の不正に対して抗議するのは、社会人としてなすべき当然の行為と心得るべし。

オレひとりが抗議したところでどうなるものでもない…といった消極的態度が、不正をはびこらせるひとつの原因になっている。ひとりでは、確かに効果は限られているかもしれない。しかし、そんな“ひとり”が何人もいれば、やがて多数となり、不正に対する抑止力となるはずだ。私みたいに、いきなりケンカ腰ではなく、もっと紳士的に抗議ができれば、もちろん、それに越したことはない。が、いずれにせよ、積極的に意思表示していきたいものだ。

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