『バイク乗りの勘所』

左折方法違反に行政指導を

掲載日:2014年07月07日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

「左折するときは、あらかじめできるだけ道路の左端に寄り、交差点の側端に沿って徐行しながら通行しなければなりません…」と、某メーカーの原付免許教室の講師だった私は教えていた。もう30年以上も前のことなので、一言一句正確かどうかは疑わしいが、道交法を平易に解説したテキストの“左折の方法”の項にはそう書かれていたし、その後、この点に関する道交法の条文は改正されていないから、昔も今も“正しい左折の方法”に変わりはない。

ところが、昔と比べて大きく変わったことがある。実際の路上で、少なからぬ乗用車のドライバーがやっている左折の方法だ。いったん右にハンドルを切ってから左折するクルマの何と多いことか。内輪差の大きな大型車が、車幅ギリギリの狭い道に入って行くのなら理解できるが、そうじゃないのに、あの曲がり方をする理由がわからない。中には、いったん逆方向に車体を振ることで、その後の左折を窮屈にしている例もあり、見ていて笑ってしまう。

離れたところから見ている分には笑って済ませられるが、接近している場合には笑い事で済まなくなる。左後方を走行中に前車が左折しようとしたとき、余裕があれば右に進路変更して回避したいのに、それを妨害するような動きをするわけだから頭にくる。前車が右に寄ったのを、まさか左折の第一歩とは思わず、空いた隙間に入って接触という例もあるだろう。右後方を走行中の場合も、進路を塞がれたり異常に接近されたりで、迷惑かつ危険である。

はっきり言おう。左折のとき、いったん右にハンドルを切るのは道交法違反である。“あらかじめできるだけ道路の左端に寄り”と“交差点の側端に沿って”の、どちらにも反しているからだ。違反だけで実害がなければ放置したっていいが、上に書いたように、迷惑かつ危険なのだから、なくさなければならない。かといって、いきなり取り締まり~検挙には異論も多かろう。ここはひとつ、法無知者への“指導取り締まり”に期待したいところである。

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