
掲載日:2014年06月23日 タメになるショートコラム集 › バイク乗りの勘所
Text/Nobuya YOSHIMURA
長く乗り続けるにせよ、短期間で買い替えるにせよ、愛車は常に美しくしておきたい。愛車を美しく保つうえで最も効果的なのは、雨の中はもちろんウェット路面や砂ぼこりの多い道を走らず、湿気の少ない屋内で保管すること。これだけである。逆に言うと、ウェット路面や砂ぼこりの多い道を走ったり、湿気の多い場所で保管すると、バイクを劣化させる2大原因である“汚れと錆”の付着や生成を促進して、寿命を縮めたり商品価値を下げたりする。
タイトルの“走りで汚れ”と“放置で錆びる”は、単独でも困った現象だが、複合するとさらにマズい。走りで付着した汚れが保湿剤のような効果を発揮して乾燥を遅らせたり、砂ぼこりに含まれる塩類の水溶液が金属表面を腐食させたりする。掃除が行き届いたマシンなら1年間放置して何ともない環境でも、汚れたままだと1カ月で錆だらけ…ということにもなりかねない。走りで汚れたら、最低限、金属部分の汚れ落としだけは早急にしておきたい。
汚れ落としにもいろんな方法があるが、濡れている場合と乾いている場合、時間がある場合と急いでいる場合、それぞれに適した方法を選びたい。ここで気をつけたいのは、汚れが乾いていて、しかも急いで汚れを落としたい(時間がない)場合である。水分を吹き飛ばすなり拭き取るなりする時間的余裕がないときの水洗いは、できれば避けたい。かといって、乾いたままゴシゴシ拭き取ると、付着した汚れの種類にもよるが、傷だらけになることがある。
そんなときは、灯油を染み込ませたタオルがおすすめだ。汚れを適度に湿らせてくれ、しかもそれが、あとに残っても水のように錆を進行させず、パーツクリーナーほど速乾性でもないから、ちょうど良い。手が灯油臭くなるのが難点だが、どうしても嫌なら台所用の手袋をすれば防げるし、フクピカという商品名のヤツなら、灯油がなくても似たような効果が得られる。簡単に汚れが落とせ、防錆効果もあるから、その後の放置による錆の発生も少ない。
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