
掲載日:2014年03月03日 タメになるショートコラム集 › バイク乗りの勘所
Text/Nobuya YOSHIMURA
個人的に、書籍・雑誌・新聞に限らず、カタログ・取説・チラシ・ポスターなどの、いわゆる印刷物が大好きである。商品に貼られたタグや同梱された栞(しおり)などにも関心が高く、新聞を除き、捨てる(回収に出す)ことはほとんどない。そんなわけで、仕事部屋と物置の大半が印刷物で埋まっており、常に雪崩れの危険にさらされ、頻繁に紙吹雪が舞う。こうした状況は、PCやインターネットの普及により、収まるどころか、さらに輪がかかってきたようだ。
今世紀に入ってから、我が家の紙媒体の増加に拍車がかかったのは、従来、紙媒体で得ていた情報の一部がネットワーク経由に置き換わったことによるマイナス効果以上に、ネットワークを介して“どこにどんな紙媒体があり、どうすればそれを入手できるか”といった情報を得やすくなったことによるプラス効果のほうが大きいからだ。一例を挙げると、中古で買った愛車が販売されていた頃のカタログ、かつての憧れのマシンのカタログなどが、十数年前よりも容易に手に入る。
カタログに加え、パーツリスト、サービスマニュアル、オーナーズマニュアル(取説)、そして該当機種の新車紹介記事や試乗レポートの載った当時の雑誌。これだけ揃って初めて、安心して古いバイクに乗ったり整備したりできるというのは、私に限った話ではないはずだ。古い紙媒体を、ただ集めるだけではなく、提供もしている。重複した雑誌のバックナンバーや、手元に置いておきたい気持ちのなくなった機種のカタログなどを、ネットオークションで放出している。
いつだったか、2つ折りにしてA4サイズのカワサキZ2の日本語版カタログを出品したことがある。折り目からちぎれて2枚のA4になってしまったそのカタログに8,000円の値段がついて驚くとともに、どうしても欲しい人には、それくらいの価値があるのだなあと納得した。やはり、紙媒体には、単なる情報伝達手段を超えた味わいがある。メーカーさんには、今後とも、単なるデータではない、物としての魅力を感じさせる紙媒体の企画・制作・配布をお願いしたい。
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