『バイク乗りの勘所』

相手に心配や不快感を与えない運転

掲載日:2014年02月24日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

前方に一時停止の標識があり、交差する道路が優先道路の場合、停止線の直前で一時停止するのは当然として、停止線までの走り方にも気をつけたい。耐久レースのピットインみたいに、停止線目がけて突進したあとで急制動…。やっているアナタは気分爽快かもしれないが、交差する道路を走行中の運転者にとって、これは“ひやり”もの。止まりきれずに突っ込んでくるんじゃないかと、気が気ではない。見通しの良い交差点ほど、見えるがために、相手の心配を助長する。

右折時に交差点内で待機するとき、ずるずるじわじわ動くのも良くない。対向車の運転者に“ひやっ”ではなくても“こいつ、オレの直前で右折するんじゃないか”と心配させるからだ。蛇行、意味不明の進路変更、極端な路肩寄り走行、極端な中央線寄り走行などもまた、後続車(対向車の場合もある)の運転者に“あいつ、転ぶんじゃないか”と、要らぬ心配をさせる。アナタの身を心配しているのではなく、巻き添えの心配である。仮に心配でなくても、不快なのは間違いない。

すり抜けも、決して推奨するわけではないが、できれば、抜かれる相手がアナタの接近を認知し“後ろからバイクが近づいてきた。ひょっとするとすり抜けて行くかもしれない”と、心の準備をするくらいの余裕を与えたい。ついでに、今回のテーマからは外れるが、両側すり抜けは非常に危険だと心得るべし。右横をすり抜けるバイクを避けるために、とっさに左にハンドルを切るドライバーは少なくない。そのときに左側からすり抜けるのは自殺行為と言っても過言ではない。

バイクに乗っているときには気づかないのに、クルマを運転していると気になってしかたがないことはたくさんある。自分がバイク乗りだから、バイクに対して過敏なのかもしれないが、バイクのせいで“ひやっ”としたり、不快感を感じたりしたら、そこですべきは“人のふり見て我がふり直せ”である。今、自分を“ひやっ”とさせた、あのライダーみたいなことを、自分がバイクに乗っているときにしていないかどうか。そういった目で自分の走りをチェックしたいものだ。

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