『バイク乗りの勘所』

車体カバーの効用

掲載日:2013年12月16日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

私のバイクは、シート下の前寄りとテールカウル内の2箇所に荷物の搭載スペースがある。シート下のほうは、そのときどきの必要に応じて、カッパを積んだり、道中で買うかもしれないお土産のために空けておいたり、出先でセッティングをするときには工具やセッティングパーツを積むこともある。しかし、車体中心から遠く離れたテールカウル内には、できるだけ重い物は積みたくない反面、せっかく備わっている搭載スペースを生かさないのはもったいないという気もする。

で、このところずっとテールカウル内にあるのは、車体カバーとヘルメット袋だ。どちらも軽く、操安性への悪影響がなさそうなので、ほぼ積みっぱなしである。ヘルメット袋については、以前『備えあれば憂いなし』に書いたとおり。車体カバーのほうは、雨や埃から愛車を守るのが主目的だが、イタズラや盗難に遭いにくくする効果も期待できる。そして、屋根なし駐輪場はもちろん、屋根つきであっても、そこに半日以上または一晩停めるときには車体カバーをかけている。

個人のガレージもそうだが、公共の駐輪場の多くは、床がコンクリートの打ちっぱなしで、ただでさえ埃(セメントの粉)が多いのに加え、不特定多数の車や人間が出入りするから、埃が舞い上がりやすい。そして、建物内の駐輪場は別として、屋外に簡単な屋根だけ設けたタイプの場合は、屋根の裏側(天井)に結露し、ぽたぽた落ちてくることもある。風呂場で似たようなことを経験した人は多いと思うが、天井が冷たくなりやすい冬場の結露も、車体カバーをすれば安心だ。

ところが、車体カバーをかけたがために逆効果…という例もある。下水や側溝の排水口などが近くにある場合、長期間車体カバーをかけたまま放置すると、内部に湿気が溜まったままになり、カバーなしよりも錆びやすいなどというのも一例。エンジンの熱が車体カバーの中に籠るのも、できれば避けたい。温まったカバー内部の空気が冷えるとき、内側に結露しやすいからだ。走行直後ではなく、エンジンの粗熱がとれたあとで車体カバーをかけるように心がけたい。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索