『バイク乗りの勘所』

二輪車の特性を考えた交通規制を

掲載日:2012年07月23日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

6月4日の本コラムに 『規制緩和と、さらにキメ細かな規制を』 と題する一文を載せた。とにかく日本の交通規制は、その名のとおり “規制” に重点を置き、スムーズかつ効率的な通行とか運転者の心理的負担、さらには時間や資源の無駄などに無頓着なのに加えて、“一律” や “連続” という、考えようによっては “手抜き” がまかり通っている。これでは “安全” や “円滑化” の効果は薄いうえ、多くの運転者による道交法違反を黙認することになる。

とにかく、止める・待たせる・我慢させる。加えるならば、何かにつけて金を取る。こうした、運転者を敵にまわすような現状を改め、多くのドライバーやライダーといっしょに、どうすれば安全かつ有効に道路を使うことができるのかを考え、実現し、それでもなお危険や迷惑を撒き散らす運転者には厳罰を加える。そうすれば、道路行政や警察に対する信頼感が高まり、交通警察のおかげで犯罪捜査などへの市民の協力が得にくい…といった弊害もなくなるはずだ。

補助標識という優れたシステムがある。例えば、一般道路で(50)という最高速度(指定速度)の標識の下に [二輪を除く] という補助標識があれば、二輪以外の自動車は 50km/h が最高速度だが、二輪は適用を受けないわけだから、法定速度の 60km/h (原付は 30km/h )が最高速度ということになる。これをどんどん増やし、駐車違反の標識の下に [原付および二輪を除く]、追い越し禁止の標識の下に [二輪を除く] など、実態に即した規制に改めてもらいたい。

駐禁に関しては、時間帯による除外が珍しくないのに、その他の規制にはあまり例がない。これも、もっと考え、夜間は点滅に変わる信号機の数を増やすとともに、その運用を(曜日や時間帯に合わせて)細かに再検討するなど、まだまだ、やらなければならないこと、やってもらいたいことがいっぱいある。もちろん、去年の夏に書いた 『高速道路渋滞時の二輪車路肩走行を解禁せよ』 も忘れずに要望したい。違反者の量産・放置が交通規制の目的ではないはずだから。

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