『バイク乗りの勘所』

チェーンのメンテを怠るな(1)

掲載日:2012年06月11日 タメになるショートコラム集バイク乗りの勘所    

Text/Nobuya YOSHIMURA

人のバイクを見ていて気になるのは、ドライブチェーンのメンテナンスができていないマシンの多さ。重量車であれ軽量車であれママチャリであれ、ヒドい状態のが多い。タイヤの空気圧調整と並んで “できていない” メンテナンスの代表格である。錆びて赤くなっているなんてのは論外として、伸びてダラダラ、縮んでガチガチ、張りすぎてパンパンになっているのもよく見かける。言うまでもなく、これらはいずれも “整備不良” であり、早急に改善すべし。

オートバイの場合、100 近いリンク(結節)を持っているが、いくら数が多くても力は分散せず、個々のリンクに同じようにかかるということを忘れてはならない。全体で 100 の力がかかるとして、100 リンクあるから1リンクあたり1の力…という考えは成り立たず、このリンクにも、となりのリンクにも、そのとなりのリンクにも、同じように、1リンクあたり 100 の力がかかるのである。脅かすわけじゃないが、あの薄いプレートと細いピンに…である。

それでも最近、チェーンが切れたとか外れたというトラブルが減っているのは、ひとえにチェーンの高品質化のおかげである。しかし、皆無ではない。これは “脅かすわけじゃないが” ではなく、脅かすわけだが、次はアナタの番かもしれない。高速走行中にチェーンが外れたり切れたりしたら、最悪はリアホイールがロックして転倒、それほどヒドくなくてもドライブスプロケット回りにからみついてクランクケース破損など、悲惨な結果が待っている。

そうならないためには、日常のメンテナンスが欠かせない。掃除と給脂はできていても、張り具合を適正に調整できているマシンは少ない。チェーンは伸びたり縮んだりする…と言うと、伸びるのはわかるが縮むことなんてないはずだ…と反論されるかもしれないが、実際に縮むのである。夏場と冬場では張り具合が変わるし、走行前にパンパンだったのが走行後にダラダラになるなんてのは、伸びる一方ではなく、縮む場合もあるという証拠である。

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