掲載日:2026年06月19日 フォトTOPICS
取材協力/KTM 写真・文/小松 男

2026年5月20日、21日の2日間にわたり、毎年恒例となった第11回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会が、神奈川県の大磯ロングビーチ特設会場で開催された。一年に一度、主要な輸入二輪メーカーが一堂に会し、その最新モデルを体感できる貴重なイベントである。
数多くのブランドがブースを構える中、ここではKTM/ハスクバーナに注目してみよう。
近年のKTMグループは、スポーツモデルからアドベンチャーモデルまでラインアップの拡充を積極的に進めている。会場では、新世代LC8cエンジンを搭載したフルカウルスポーツ990 RC Rをはじめ、普通自動二輪免許で楽しめる390 ADVENTURE Rなど、話題のニューモデルが並べられた。これらの魅力的な新型マシンを次々とマーケットに導入し、幅広いユーザー層に向けた商品展開を強く印象付けているのだ。
一方のハスクバーナも、ストリートからスーパーモトまで個性的なモデルを展開。単気筒スーパーモタードの701 SUPERMOTOや、独創的なデザインと高性能を融合させたVITPILEN 801など、同ブランドならではの世界観を表現するモデルが並んだ。
「READY TO RACE」のスローガンで知られるKTMは、MotoGPやモトクロス、エンデューロ、ラリーレイドなど世界最高峰のレースシーンで存在感を発揮。一方のハスクバーナは、長い歴史に裏打ちされた競技車両づくりのノウハウと、北欧テイストを感じさせる独自のデザインで多くのライダーを魅了している。
ここでは、そんなKTM/ハスクバーナブースの様子と合わせ、ミドルクラスのハイパフォーマンスネイキッド、990 DUKE Rのショートインプレッションをお伝えしていこう。

元気が湧き出るビタミンカラーのKTMと、クールな色使いで人の目を惹きつけるハスクバーナ。今回GASGASのモデルは用意されなかったものの、9種類のモデルが揃えられた。

今期のKTMで最も話題となっているのは990 RC Rで間違いない。RC8以来のフルカウルスポーツモデルとあってイベントでも高い注目を集めていた。排気量約950ccのLC8c(並列2気筒)を搭載する。

390SMC Rは貴重な公道走行可能かつ普通自動二輪免許で乗れる本格派スーパーモタードモデルだ。なお390シリーズでは、最近390 ADVENTURE Xが発表されたところだ。

現在のKTMネイキッドファミリーにおいて末弟的な位置づけとなっている390DUKE。コンパクトにまとめられているもののKTMらしい快活なスポーツライディングを楽しめる一台だ。

2026モデルの701 SUPERMOTOはLC4エンジンを、より厳しいユーロ規制に対応させながらも最高出力が引き上げられた。そのほか、メーターをはじめ電子制御関係もアップデートされている。

何者にも似ていない独特なデザインで纏められたハスクバーナのネイキッドモデル、VITPILEN 801。ストリートに映えるスタイリングだけでなく、パフォーマンスも一級品となっている。

実を言うと、今回KTM/ハスクバーナブースで、もっとも気になっていたのは新型フルカウルスポーツの990 RC Rだった。しかし、試乗コースや限られた時間を考えると、その真価を味わうには少々もったいない。そこで選んだのが、同系統のLC8c並列2気筒エンジンを搭載する990 DUKE Rだ。
市街地、ワインディング、自動車専用道路という試乗コースを約1時間走らせてきた。
まず感じたのは、とにかく軽快ということ。車体を左右に振った際のヒラリとした身のこなしは見事で、どのようなステージであってもライダーの意思に素直に応えてくれるのだ。
フロントフォークは低速域ではしっとりと路面を捉え、高速域ではスッと自然に動く印象。快適性とスポーツ性を高いレベルで両立している。
エンジンは十分以上にパワフルだが、電子制御によって出力特性を自在に変更できるのも魅力。気分が乗っている時には鋭いレスポンスを楽しみ、流したい時には穏やかなキャラクターで付き合える。まさに一台で複数の表情を持つロードスポーツだ。
一方で、その高い運動性能ゆえに決して気を抜けるタイプではない。しかし、不思議と手に負えない印象はなく、「油断はできないけれど、なんとかなる」と感じさせる絶妙な懐の深さを持っている。
鋭いヘッドライトまわりはまるでプレデターを思わせる迫力。細かな部分ではシフトチェンジレバーの短さがスポーツライクで良い、それら尖ったディテールを踏まえ、走りは刺激的なものだった。ストリートをメインに楽しめる高性能ロードスポーツを探しているなら、990 DUKE Rはぜひ候補に加えてほしい一台である。

KTM 990 DUKEをベースに誕生した高性能仕様のRモデル。ホワイトとマットブラックを基調としたボディに、オレンジのフレームを組み合わせることで、ひと目で特別なモデルと分かる存在感を放つ。タンクにあしらわれた「R」のロゴも印象的だ。

搭載される947cc並列2気筒エンジンは、専用マッピングにより最高出力127.84PSを発揮。最大トルク103Nmの力強さはそのままに、鋭いレスポンスとスポーツライディングに適したキャラクターへ磨き上げられている。

フロントにはWP製フルアジャスタブル倒立フォークを採用。フォーク径は990 DUKEの43mmから48mmへ拡大され、剛性は34%向上。安定感とコントロール性を高めながらも、俊敏なハンドリングを実現している。

軽量な車体と高剛性シャシーが生み出す軽快な運動性能も990 DUKE Rの魅力。ライダーの入力に素直に反応し、街中からワインディングまでヒラリと向きを変える軽快なハンドリングを実現している。

縦型LEDヘッドライトを中心とした独創的なフロントフェイスは、近年のKTMを象徴するデザイン。鋭い眼光を思わせる表情は、まるでプレデターのような迫力を感じさせる。

シート高は840mm。ベースモデルより15mm高められたことで、より積極的なライディングポジションを実現している。スポーツ走行時の自由な荷重移動にも配慮された形状だ。

視線を引き付ける横長の8.8インチTFTフルカラーディスプレイを装備。タッチスクリーンにも対応し、ライディングモードや電子制御の設定変更もスムーズ。分割表示機能により視認性も高められている。

新設計のスイッチキューブを採用。大型TFTとの組み合わせにより、ライディングモードやABS設定などの変更も直感的に行える。実際の操作感も良好で、電子制御を身近に感じられる仕上がりだ。

WP製フルアジャスタブルリアショックを装備。新たに採用されたリンク式サスペンションとの組み合わせにより、優れた路面追従性とトラクション性能を実現。スポーツライディング時にも高い安定感を発揮する。

高めかつ後方寄りにセットされたステップは、990 DUKE Rのスポーティな性格を象徴する装備のひとつ。クイックシフターとの相性も良く、シフトチェンジは実にスムーズ。積極的なライディングを楽しみたくなるポジションだ。








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