掲載日:2023年01月10日 フォトTOPICS
取材・写真・文/河野 正士
2022年11月、インド・ゴアで開催された、英国生まれインド育ちのバイクブランド/ロイヤルエンフィールド(以下RE)のオーナーイベント「Rider Mania2022(ライダーマニア)」に参加することができた。年間2000万台が販売されるインドの巨大な二輪市場のなかで、第四のバイクブランドであるRE。しかしコロナ以前は年間88万台を超えるバイクを生産し、2021年は60万台のバイクを販売。まだ2022年の総販売台数は発表されていないが、輸出台数は12万台を超えたという。その数字を見ても、REがいかに巨大かがよく分かる。しかも、150cc以下のバイクが大半を占めるインド市場で、REは350cc〜650ccまでの中型車両のみを製造販売。プレミアムブランドとしての地位を確立している。そして1901年にイギリスで誕生したREは、2021年にブランド誕生120周年を迎えた歴史的ブランドでもある。
そのREが、2003年から開催しているイベントが「Rider Mania」。REオーナーにとっては、年イチで世界中から仲間が集まる、お祭りのようなイベントなのだ。コロナ感染症によるパンデミックで2020・2021年と開催が見送られたことから、3年ぶりに開催された「Rider Mania2022」は、まさに待ちに待ったイベント開催だったのである。
イベントが開催されるゴアは、インドを代表するリゾート地。イベント会場はビーチに近く、3日間開催されるイベント中に、ビーチでのんびり過ごすこともできる。
イベント会場はオフロードレースやフラットトラックスクールを行う「MOTOTHRIL(モトスリル)」エリア(少し離れた場所でヒルクライムレースも開催)、REの新型車や歴史的モデルやカスタムバイクを展示したりアート系ワークショップなどを行ったりする「MOTOVILLE(モトヴィル)」エリア、巨大なコンサートステージ「MOTOSONIC(モトソニック)」エリア、REの純正アパレルやアクセサリー、それにバイク関連アパレルブランドやパーツブランドのアイテム、それにフードやドリンクが充実した「MOTOSHOP(モトショップ)」エリア、ロイヤルエンフィールドの開発陣がニューモデルの開発裏側を語るなどさまざまなプレゼンテーションを行う「MOTOREEL(モトリール)」エリアなどに別れ、早朝や午後にスタートする、ゴアの名所を巡るツーリングを合わせると、早朝から深夜まで、まさにRE漬けの3日間を過ごすことができる。
インドのライダーたちはみな、底抜けに明るい。カメラを持って近づけばポーズをとり、「仲間もいるから一緒に撮ってくれ」とか、「コイツ日本から来たんだって!じゃあみんなで写真を撮ろう」とか、「インドのこの地域はツーリングに最適だからぜひ走ってみてくれ」とか、とにかく賑やかだ。またツーリング好きの彼らは、インド中から仲間たちと自走してきて、大量の荷物をバイクに搭載しているライダーも多い。
インドのバイク好きは熱い、それを感じた3日間だった。
Rider Maniaの約10日前、イタリア・ミラノで開催されたEICMAで世界初公開となった新型車「スーペー・メテオ650」を、インドのREファンの前でもアンベール。その後にオープンした展示エリアでは、夜遅くまで多くの観客が跨がりチェックを行っていた。
メイン会場からバイクで15分ほどの場所にある「Garage Cafe(ガレージカフェ)」。REが運営するショップで、レストランやバー、アパレルショップ、メンテナンスやカスタムバイク製作を行うファクトリーが併設された、ゴアREカルチャーの発信地。イベント中は、毎夜パーティが行われていた。
メイン会場はビーチのすぐ側。ゴアはアラビア海に面し、美しいビーチがアチコチにある。ガソリンは、街の商店で、こんなペットボトルに入れて販売されていた。
インドでもフラットトラック人気が高まっている。そこでAFT(アメリカン・フラットトラック選手権)のプロダクションツインクラスに参戦するREのファクトリーライダー/ジョニー・ルイスが、スクールも開催していた。
簡易MXコースを造りレースも開催されていた。なかにはバレット500をオフロードレーサーにカスタムしたマシンによるレースも開催されていて、そのオフロードスタイルが何とも格好良かった。
3〜4人乗りも当たり前なインドで、それに同乗する子供たちにヘルメットを贈り、子供たちを交通事故から守るとともに、安全意識を高めるためのプロジェクト「ヘルメットforインディア」のブースも展開。アーティストが造ったカスタムヘルメットをオークションに掛け、その金額を活動資金に充てるという。
インドはカスタム熱も熱い。この車両はTNT Motorcycleが製作した「GOONJ」と名付けられたマシン。エンジンはバレット350用単気筒を使用しているが、外装類やフレームは、すべてハンドメイドだ。
会場には大小いくつかのコンサートステージがあり、そこではさまざまなアーティストがライブを行う。
腕相撲大会やビール500ml缶早飲み競争など、イベント盛りだくさん。ツーリングや冒険旅行、写真家などバイク周りでさまざまな活動をしている人々のプレゼンテーションや、RE開発陣によるニューモデル解説なども行われていた。
とにかく賑やかなインドのバイカーたち。カメラを向けると、こんな風にポーズを取ってくれる。ときには、俺たちを撮ってくれと駆け寄ってくるほど。
会場の奥にはメンテナンスエリアがあり、トラブルやカスタムに、プロのメカニックが対応してくれる。
会場の至る所で開催される多種多様なアートのワークショップ。多くの人々が参加し、さまざまアイテムを造り上げるのを楽しんでいた。
メカニック選手権とでも言おうか…ハンドルやリアホイールなど、決められたパーツを車体から外し、また元に戻す速さを競うチーム参加型のイベント。優勝チームは、歌い踊りながら歓びを表現。
インド各地からイベント会場にやって来るREクラブチームの面々。彼らは揃いのTシャツや民族衣装を着て、楽器を鳴らし、歌い、踊りながらメイン会場に入るのが慣わしだ。
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