最新モデル試乗速報 BMW Motorrad HP2 Sport Limited Edition

掲載日:2010年11月16日 フォトTOPICS    

取材協力/BMW Motorrad  写真・文/田中ゼンスケ

フロントマスクのヘッドライトには BMW Motorrad のコンセプトが反映されたアシンメトリーなリフレクターを内蔵。常時点灯とハイビームは独立式で、バルブはいずれも H7 ハロゲンを使用する。

ボクサー・エンジンを搭載するロード・スポーツの最高峰モデル
HP2 Sport がさらにスポーティになった限定車

2010年5月10日より、全国40台限定で販売開始された HP2 Sport Limited Edition は、2008年12月8日に予約注文が開始されました。HP2 Sport (ベーシック)にスポーティなボディカラーが施されたボクサー・スポーツの最高峰モデルです。

HP2 Enduro と HP2 Magamoto に続いて投入された HP(ハイ・パフォーマンス)シリーズの3番目である HP2 Sport は、R 1200 S をベースとしつつ、軽量化と性能アップのためほとんどすべての部品が新規開発品、もしくは大幅な改良が施されています。なにより DOHC シリンダー・ヘッドの採用は、ボクサー・エンジンの最高出力をより高い回転域で発生することを可能としました。

この限定モデルとベーシックモデルに基本性能や装備品の変更はなく、カーボン・ファイバー強化プラスチック(CFP)製フェアリングに、アルピン・ホワイトを基調としたインディゴ・ブルー・メタリック、および HP2 専用のレッド・カラーがペイントされたことで、よりスポーティなルックスとなっています。

フォトTOPICS(写真点数/23枚)

01シートに跨って見える HP2 Sport のコックピット。仕上げの美しいアルミ削り出しのトップブリッジが印象的。スイッチボックスは K1300 シリーズや DOHC ボクサーの RT のような新しいタイプではなく従来型を踏襲、左右独立式のウィンカースイッチを採用している。ハンドル幅や絞り、垂れ角など、一般的なスーパースポーツモデルに比べたら安楽なレベル。バックミラーは設置場所のせいか真後ろは見えない。

02「2Dシステムズ」製のメーターパネルは、レーストラックでの走行を前提に「ROAD」「RACE」モードの切り替えや、ラップタイムの計測、シフトタイミングの設定、油温に合わせたレブリミットの表示など、速度、回転数、走行距離、時間のほかに多くの機能が備わっている。操作は左スイッチの「SET」「MENU」ボタンで行う。上部の LED インジケーターは油温やシフトタイミングを示す。

03フロントブレーキは「MAGURA」社製ラジアルポンプ式マスターシリンダーを装備。レバー位置を調整するアジャスターはグローブを装着した指先でも回し易い。

04クラッチレバーも「MAGURA」社製ラジアルポンプ式マスターシリンダーを装備する。軽い入力で操作出来る。

05偏芯スペーサーによってハンドルの垂れ角を2段階に調整可能。

06燃料タンクキャップのパネルはカーボン素材の編目を見せるデザイン。

07タンクキャップパネルのトップブリッジ側にはフロント・ショックユニットの伸び側ダンパー調整ダイヤルが配置されており、簡単に回すことが出来る。

08シート形状は細く絞り込まれたほぼ水平の前部から、後部へ向かって幅が広く、せり上がっている。タンクとシートの谷間に下半身が落ち込むことも少なく、そのキャラクター上、座り心地が快適なつくりではない。

09カーボン・ファイバー強化プラスチック(CFP)製のテールカウル。真下にサイレンサーが収まっており、効率的な排熱を考慮したネット状の換気孔が備わる。

10テール/ブレーキライト、ナンバー灯、ウィンカーは LED を使用。

114本のビスと1つのコネクターを抜くだけで、テール・ランプを簡単に取り外すことが出来るナンバー・プレート・キャリア。

12サイレンサーとエキゾーストパイプのジョイント部分に、低中速のトルクアップを狙った「アクティブ・エグゾースト・ガス・フラップ」(排圧コントロールバルブ)が備わる。シート下に配置されたサーボモーターがエンジンのコントロールユニットで制御され、ワイヤー駆動によってフラップを開閉する。

13ステンレス製「2-in-1 エキゾーストシステム」はエンジン下で1本に集合し、ミッション下のキャタライザーを経由してサイレンサーへ。左右エキゾーストパイプにはそれぞれO2(オーツー)センサーを装備し、常に燃焼状態をチェックしている。

14ブラックアウトされた HP2 Sport の心臓部。R1200S のエンジンをベースとし、メガモトやエンデューロとは異なる DOHC シリンダーヘッド搭載の新型ボクサー。シリンダー・ヘッドカバーは極厚・無垢のカーボン・ファイバー製。

15フェアリングは全てカーボン・ファイバー製。BMW のモータースポーツ・カラーがよりスポーティな印象を与えている。フロントもリアもフェアリングは一体型の自立式で、固定するための専用ステーを必要としない。BMW 特有の「キドニー・グリル」奥には専用設計のオイル・クーラーを装備。

16レーサーらしくアンダーカウルも装備。もちろんカーボン・ファイバー製。

17車体色に合わせてインディゴ・ブルー・メタリックにペイントされたフロント・ホイール。前後共に軽量・高強度の鍛造アルミホイールとなっている。ブレーキにはブレンボ社製ラジアル・マウント式モノブロック4ピストン・キャリパーをダブルで装備する。サスペンションはテレレバーを採用し、標準装備の ABS は任意でオン/オフの切り替えが可能。

18リア・ホイールは車体色のベースカラーとなるアルピン・ホワイトにペイント。

19リアのショックユニットもフロント同様オーリンズ社製を装備する。

20フットレスト左側。主要構成パーツはカーボン・ファイバー製のヒールプレート以外アルミ削り出しという贅沢なもの。ステップもペダルも、偏芯カムによって高さ/前後位置調整が可能。また、スロットルを開けたままノークラッチで高速シフトアップが可能な「ギアシフト・アシスタント」を市販車として初採用。電子的に燃料噴射量を抑制してエンジン負荷を低い状態にすることでギアを入り易くする機構となっている。クラッチを操作すると自動的にシステムはオフとなる。

21フットレスト右側。ブレーキペダルもシフトペダル同様位置調整が可能。ステップに刻まれた滑り止めのローレット加工は部位によって細かさが異なる。

22エンジン同様ブラックアウトされたパラレバー・スイングアーム。リア・ブレーキもブレンボ社製でキャリパーは片押し2ピストン、フローティング・ディスクを採用。

23スポーツ・マシンとしては意外(?)なほど頑丈でしっかりと踏ん張る、長めのスチール製サイドスタンド。貧弱さは無い。

試乗インプレッション「BMW Motorrad HP2 Sport Limited Edition」はコチラをチェック!

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索