掲載日:2017年07月10日 プロが造るカスタム
取材協力/単車工房モトジャンキー
記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はロードライダー特別編集『ザ・カスタムマシン2016』に掲載された内容を再編集したものです
熊本のモトジャンキーは各種カスタム製作やしっかり走るバイクへのセットアップを主業務としている。その腕前を聞いて、愛車を託すユーザーも多く、いろいろ勘案した上で最終的にここに落ち着いたという人も多いと聞く。なぜだろう。
「高性能なはずの社外ショックユニットを装着したのに、オーナーさんが効果を実感できないですとか、そんな車両が持ち込まれることは多いですね。そうした場合は、1度ノーマルに戻して、車体姿勢から見直します。そこから改めてリセッティングすれば、ショックなどパーツの性能をちゃんと引き出してあげられます」と中尾さんはさらっと言うが、それこそがユーザーのほしいキモ。そこが頼られる部分というわけだ。
このゼファー750RSも、そんな手順を踏んだものだ。オーナーの要望は、コーナリング時の安心感を高めること。まずリアショックをオーリンズに交換した。するとリアがグレードアップした分、フロントが頼りなく感じるとのことで、今度はフロントフォークにスクーデリアオクムラのMEチューンを施した。「スタンダードはフロントの減衰が弱いことで、動き過ぎるんです。ですから、伸び側の減衰力を高める方向でオーダーしました。結果、フロントが不用意に伸びなくなったことで、コーナー進入時に車体姿勢が安定し、旋回性も維持できます」と、理論も明快。
中尾さんがマシンを仕上げる時に、常に気にかけているのは、バランス。重視するのはパワーだけでも、車体だけでもダメ。車両のすべての要素がバランスしてこそ、気持ち良い走りができる。それが基本思想だ。そのポリシーを体現したようなこの750、見るだけでも走りそうな感じがする。
ベースは初期型=1996年型ゼファー750RS。ハンドルはハーディーミディアム。
エンジンは738ccの排気量ほかスタンダードスペックで腰上オーバーホール。耐久性を重視し、動弁系やピストンスカートなどにWPC加工が施される。PMC製のマフラーは、エンジン仕様とのマッチングを考慮して、サイレンサー内部を加工し排圧を最適化、キャブレターのリセッティングも行っている。オーナーはエンジンのパワーアップに興味があるそうで、今後チューニングを検討中とのこと。
ステンレスメッシュホースへの変更以外、ブレーキはスタンダード。前述のエンジンチューンが行われた際にはグレードアップも視野に入る。
スイングアームはブラックにペイント。
オーナーさんは親子でツーリングを楽しむこともあり、タンデムステップも必要なパーツ。撮影時は外されているが着脱が可能ということでウッドストック製ステップをセットしてタンデムランを楽しんでいるとのことだ。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!