
掲載日:2011年08月03日 プロが造るカスタム
2000年にさしかかる頃にオートマジックが開発したDFC(Dual Frame Combined Chassis/デュアル・フレーム・コンバイン)シャシーは、カタナやニンジャのカスタムで多く見受けられる“エンジンの載せ替え”に関する諸問題を解決する独自の技術だ。
この車両では、カワサキGPz750Rフレームのヘッドパイプ~バックボーン部と、'95~GPZ1100のスイングアームピボットを含むフレーム下部とを結合し、後者=GPZのエンジンを搭載する。これにより、エンジン換装のために新規にエンジンマウントを製作したり、チェーンラインを修正する必要がなくなっただけでなく、ヘッドパイプ角の変更を含めて車両の性格をアレンジすることも可能なのだ。
「ニンジャのシートレールは、サーキットを走るにはかなり低いんです。でもDFCなら、フレーム加工と同時にシートレールを高めに設定して、十分なバンク角を確保することができます。もちろん、ステップやシートの位置関係も自由な設定が可能です」というオートマジック代表・荒木さん。同時に、リヤサスにも強いこだわりを持っていた。
このニンジャの場合、リヤサスはフレームの流用元であるGPZ1100用を使うことになるが、本来使いたかったオーリンズのGPZ用には車高調整機能がなかった。荒木さんは、「サスの動きを考えると、リンク部やエンドアイの延長で車高を調整したくはない」とも考えていて、ここではオーリンズに車高調整機能付きのショックを特注。ショック側で自由長を変化させてリヤ車高の調整を行うようにしている。
なお、この車両と同様の手法で製作されたGPZ-Rは、2001年のTOF(現TOT)で優勝を飾っていて、この750Rはその車両のレプリカ1号機。今でもTOTではDFCニンジャが先頭を走っている。登場時には異端と呼ばれることもあったDFCだが、ここまでの配慮がされて作業が行われているからこそ、認められたと言える。
DFCシャシーはフレーム融合(精度や溶接強度にもこだわる)の際にステアリングヘッド角の変更など、ディメンションのアレンジも自由にできる。塗装はYFデザインファクトリー
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