
掲載日:2011年07月20日 プロが造るカスタム
'84~'03年の約20年と生産期間が長く、直後に登場したGPZ1000RXから現行のZRX1200DAEGまで後継モデルのパーツ流用が容易、さらに多くのアフターマーケットパーツが市場に存在するGPZ900R Ninjaは、そうした背景からカスタムの素材として最適と言える車両であり、長らく多くのチューナーが性能などの向上に意欲を燃やしてきた。
トレーディングガレージナカガワ(TGN)の代表を務める中川和彦さんもそのひとりで、ニンジャ系のノウハウは実に豊富。その中核になっているのは、中川さんの愛車であり、TGNのテストベッドとなっている、このA10 Ninja。しかし、2002年前後に一時全バラになっていた。次期愛車の車種選択をしていたようだ。
しかし、「新たに自分のマシンを組もうとなったとき、やっぱりこれ(Ninja)がいいなと思ったんです。エンジンパーツのコンバートが自在とか、現行車にはない使用レンジの広さとか、Ninjaを好きな理由はいろいろありますが、一番は、問答無用でカッコイイことですね」(笑)と中川さんは理由を述べるが、改めてNinjaを選び、着手した。
コンセプトは“シブいオールラウンダー”を狙い“見た目を裏切る軽快感”を盛り込んで、2003年に完成。当時のTGNエンジンチューニングメニューに設定されていたST-4(ステージ4)のさらに上、#1135仕様(後輪170ps以上。今では同じ耐久力で180超も可能にしている)のエンジンを搭載。これ以外にもNinja系チューンに多様なメニューを揃えるTGNだが、実際にカスタムを行う際に中川さんが願っているのは、“好きなバイクに長く乗り続けてほしい”ということ。
「ですから、自分のバイクの完調状態がどんなものか、まずはこれを勉強してほしいですね。そうしないと、信頼できるショップも見つけられないでしょう。カスタムについては、そのパーツが本当に自分の車両に必要なのか、見極める目を養うべきだと思います。それができれば、バランスのいい、自分だけの1台が作れるんですから」とも中川さんは言う。
バイクとともに乗り手も成長する。これこそが中川さんの望みであり、本当の意味でのカスタムの醍醐味なのである。このNinjaはその後も中川さんによってその時流を見据えた仕様でのテストによって改良が行われ、毎年のロングツーリングにも使われている。そんな使われ方は、まさにオールラウンダーと言っていいだろう。
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