サンタバイク / XJR1300 カスタム写真
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ヤマハ XJR1300

掲載日:2011年06月15日 プロが造るカスタム    

現代空冷並列4気筒の限界を
さらに高めるビッグボア

このXJR1300は、2000年代初頭にゼファー1100用を筆頭にビッグボアのオリジナルピストンキットをラインナップしてきたサンタバイクが、そのオリジナルXJR用1400ccキットを組むことを中心に仕上げた車両だ。排気量が上がればパワーは上がり、ある意味余裕も生まれてくる。

 

ただ、ここで気になるのは、やはり耐久性や油温の問題。STDでもXJRは1250ccの排気量(シリンダーボアはφ79mm)を持ち、しかも現代の設計を受けていて無駄を削いだ空冷。シリンダーヘッドに関しても同じで、チューニングが進むと熱的にネガな部分が出てくる。ある意味チューナー泣かせでもあるこのエンジンを、サンタバイクのキットはさらに4.5mmもボアアウト(ボアはφ83.5mmになる)してしまうわけだ。

 

「このキットについては電話で問い合わせてくる方も、皆さんそこを心配されるんですよ(笑)。でも、油温はかなりハードなサーキット走行をしても、上がって110℃強ぐらい。オイルクーラーがノーマルの車両でも、地元大分の市街地を走行するくらいなら、特に問題はないんですよ」とこのキットを作ったサンタバイクの安東さんは言う。

 

同店では、この車両の撮影(2002年)までに既に30台以上にこのキットを組んできたそうだが、4万km以上を走行した車両のエンジンにおいても、目立ったトラブルは出ていないとのこと。ただしキットの組み込みにあたっては、めっきシリンダー採用のXJRに対してシリンダーのめっき剥離を行った上で、ボーリング+スリーブ圧入といった作業が必要になるため、このあたりの加工精度はかなり厳密に管理していく必要があるし、ここがキモとなる。

 

オイル管理ももちろん重要で、サンタバイクではコンプレックスエステル系のレッドラインやモチュールなどを推奨した。一見、無謀とも思える近年式空冷エンジンでのビッグボア化だが、実はこのようなノウハウによるシッカリした裏付けの上に、成り立っているのである。

サンタバイク XJR1300の詳細写真は次のページにて

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