
掲載日:2011年06月08日 プロが造るカスタム
もうかなり知られている話だが、ブライトロジック代表の竹中治さんやエンジン担当・渡利さんは、ヨシムラの卒業生だ。在籍当時は「マシンを重そうに押すな! 相手(チーム)にナメられる」と諸先輩(現アサカワスピードの浅川邦夫さんなど)にやかましく言われていたそう。本来勝負の世界はそういうものだが、実際にも当時から、ヨシムラのマシンは押したときの転がり感はとても軽かった。
「動くところに余計なフリクションが出ないようにするとか、精密に組むのなんていうのは当たり前のことなんですよ。精密に組まないバイクなんて考えられないでしょ。だからあえて“精密何とか”なんて言う必要はないもの」と、竹中さん。このようにヨシムラのレース活動や開発に携わってきて、当たり前にやってきた作業は、世間では「精密」に当たるものなのだ。
このZX-12R(A)もそうした理由によって、かつてのヨシムラレーサーと同じように押し歩きからして、すでに軽い。もちろんマルケジーニ製マグ合金ホイールやブライトロジック製チタンマフラーなどの軽量パーツが組み込まれていることもその要因として見逃せないところではある。でもそれ以上に、正しく精密に各部が組まれて、きっちり調整されることによって初めて、それぞれのパーツが持ったメリットが組み合わされたトータルでの効果が現れてくる。
「この12Rは、エンジンはノーマルのままだし、スイングアームもSTDに補強を入れたもの。でも、サスペンションとかホイールの変更だけで十分に走りが変わってくる。コレだけ体感的に軽くなれば十分でしょ」と竹中さんは続ける。すべての“軽さ”が加速やハンドリングを向上させる。そして、数値以上の性能と満足感をオーナーに与えてくれる。そんな“一流の当たり前作業”を全身に受けて、この12Rは生まれ変わっている、と言える。
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