
掲載日:2011年04月01日 プロが造るカスタム
「カワサキZが持つ本来のスタイルや雰囲気は壊さないように、その一方でハイパワーなエンジンやハイスペックなパーツとのバランスも取る。この車両の場合、難しかったのはそこですね。オーナーさんとの打ち合わせもかなり綿密に重ねましたけど、カスタム作業自体は、ウチとしてもかなり楽しめた1台だと思います」(笑)
そう語るのはボイス代表・杉森さん。その言葉通り、パッと見はかなりオーセンティックに見えるのだが、よく見ると細部のパーツは、かなりハイグレードなものにアップデートされたZだと分かる。ちなみにタンクは軽量なビーター製アルミ、純正+パイプ補強に見えるスイングアームも、じつはクロモリ鋼管によるワンオフ品。ホース上回しのオイルクーラーもコアはアールズ製ラウンドタイプだ。その一方で、表皮シート&グラブバー、グリップ&スイッチ類など、ノーマル部分も多数。このなんとも言えない微妙なバランスが、このマシン最大の特徴だ。
エンジンはシリンダーからも分かるようにZ2(Z1の黒エンジンは初期タイプのみ)だが、こちらも中身はZ1000純正クランク+ワイセコφ74mmピストンで1135ccまで排気量アップされる。なるほど、これだけのパワーとなれば、これくらいの足まわりは当然必要(フレームにも11カ所の補強が追加されている)だが、先述したようなマシン全体の雰囲気から、そこまでのハイパワーエンジンを積むようにはとても見えない。思うに、こんな仕様のマシンこそ、現代版『羊を被った狼仕様』と呼ぶにふさわしいのではないだろうか。日本を代表する名車・Zには、こんなふうにSTDの雰囲気をまとったクロウト好みのハイスペック・カスタム改も似合うのだ。
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!