掲載日:2009年12月18日 名車ライブラリ
4サイクルのマッハと呼ばれた
DOHC採用のパラレルツイン
ホンダのCB750、カワサキのZ1など、TX500が登場した1973年には絶大な人気を誇る他社製の並列4気筒モデルが市場を席巻しており、TX500はその後に続く並列4気筒の時代に一矢報いようとヤマハが市場に放ったモデルだった。トライアンフやBSAなど英国車の伝統的なエンジン形式を取り入れたXS-1にはじまり、TX750やTX650など1970年代半ばまでのヤマハはパラレルツインに“オートバイらしさ”を見出し、このエンジン形式でメーカーとしてのカラーをアピールしようとしていた。見た目には派手さはないものの、当時としては先進の技術だったDOHC8バルブヘッドやバランサー、市販車での採用は珍しいH型アルミリムを採用するなど、このモデルに対するヤマハの気合の入れようはかなりのものだったと思われる。バランサーを採用したおかげで、当時のパラレルツイン特有の高回転になるに連れ発生する振動も皆無。どこまでも回してみたくなるエンジンだった。同じ時代を生きたパラレルツインとは採用された技術も、エンジンの個性も一線を画していた。「4サイクルのマッハ」と呼ばれたのも納得の名車だ。
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