掲載日:2018年09月20日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/小松 男
HUSQVARNA SVARTPILEN 401
スウェーデンのブランドHusqvarna(ハスクバーナ)。古くからバイクに関わっている方にとっては、聞き覚えのあるブランドであることであろうし、ボリス・シャンボンがハスクバーナを使いスーパーモタードで活躍した90年代ならともかく、いまは誰でもインターネットを楽しめる時代なので、いまさらブランド自体のことを掘り下げて紹介することもないだろうが、それでもまだメジャーとは言えないので少々前口上的に綴らせてもらうとしよう。
ハスクバーナというブランドが産声を上げたのは今から300年以上も前の1689年の事だ。まず兵器工場として稼働を始め、その後キッチン用品やミシン製造などを開始する。ちなみにハスクバーナは現在もミシンやチェーンソーや芝刈り機のメーカーとしても有名である。1896年に自転車の製造をはじめ、1903年には最初のオートバイを誕生させている。オフロード、オンロードの区別もままならないバイク黎明期にありながら、モトクロスレースに対応するカスタムモデルの人気に火が付き、欧州全土にその名は知れ渡ることになる。
60~80年代にかけてはモトクロスやエンデューロレースで活躍したハスクバーナだったが、1987年にイタリアのCAGIVAが買収、スウェーデンブランドとしての誇りを貫こうとしたハスクバーナの開発チームはHusaberg(フサベル)というブランドを立ち上げ分裂することとなった。
その後もモトクロスの分野ではトップクラスの活躍を続けてきたが、2007年にBMW Motorradに買収され、オフロードバイクの技術提携及びロードバイクNUDAの発表などを行っている。そして2013年にピエラ・インダストリーAGに買収された。このピエラ・インダストリーAGというのは、KTMのステファン・ピエラCEOが代表を務める会社であり、この時点でKTMとの繋がりができ、そしてすでにピエラ・インダストリーAGに入っていたフサベルと再び結合することとなったというのが、これまでの簡単な生い立ちだ。
ここまで読んでお気づきかと思うが、ハスクバーナは生粋のオフロードバイク、しかもレーシングモデルに強いブランドなのである。ただし、これから紹介するSVARTPILEN(スヴァルトピレン)をはじめ、2018年にハスクバーナが立て続けにマーケットに送り込んだニューモデルは、これからの歴史が変わり始めることを予感させるストリートモデルだ。
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