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新設計のエンジンはシリンダーヘッドやカムシャフトを変更しクランクシャフトを軽量化。ECUの演算速度が20%向上したほかエンジンマップの見直しやエンジンブレーキ特性の変更など全面的に見直すことで性能アップ。従来モデルより最高出力が16ps向上し2.5kgの軽量化を実現している。
フロント周りは、オーリンズ製φ43mm倒立フォークにブレンボ製M430モノブロック・4ピストンラジアルマウントキャリパー&φ320mmダブルディスクの組み合わせ。3段階に調整可能なレースABSを標準装備しパフォーマンスと安全性を高次元で両立。
リア周りも同じくブレンボ製2ピストンキャリパー&220mmディスクを組み合わせる。前後オーリンズと繊細なデザインの10本スポークタイプの軽量鍛造ホイールはRFだけの専用装備だ。
リアショックの調整機構は圧側ダンパーにダイヤル式アジャスターを装備するなど、素早く簡単にセッティングできる仕様となっている。レースABSその他の電子デバイスを制御する慣性測位ユニットにはボッシュ製9MPが採用されている。
フロントカウルも一新された。ヘッドライトデザインを変更し、バックミラーに内蔵式のウインカーもLEDタイプを採用し形状も見直されている。ちなみにヘッドライト左右がロー、センターがハイビーム。グラフィックもレーサーイメージのアグレッシブさを強調したデザインとなっている。
樹脂製タンクカバー内に収められる燃料タンク容量は18.5リットルとツーリングにも十分なレベル。アプリリアとしての世界選手権でのチャンピオン獲得回数「54」を表したエンブレムステッカーが誇らしげだ。タンク後端部が絞り込まれて非常にスリムなのはV4のメリット。
コーナリングでの荷重を受け止めてくれる幅広い座面を持つシートがいかにもレーシー。シート表面は硬めだがクッションは程よい厚みで座り心地も良好だ。シートカウルのセンター部分のパーツを付け替えることでタンデムにも対応するが、エマージェンシー用と言っていいだろう。
極端に絞り込まれてミニマライズされたリアビュー。X型にも見えるスポイラー状の突起は燃料タンクから連なる一連のデザインであることが分かる。コンパクトなテールライトとウインカーもLEDタイプ。
アルミプレス材を表裏で合わせて鋳造セクションに溶接するなど複雑な工程を経て作られたスイングアーム。ワークスマシンを思わせる剛性感たっぷりの構造は見た目にも迫力十分だ。レーサーさながらスイングアームピボット位置も変更できる構造になっている。
左側グリップ手元に装備されたモード切替ボタンとパドルスイッチ。親指で「+」、人差し指で「-」を操作しながら、走行中でもエンジンモードやAPRCの設定変更が可能となっている。慣れは必要だが操作自体は簡単だ。
ダッシュボードの左下にUSB用給電ポートを設置しIT機器にも対応。RFには最新式のマルチメディアプラットフォームが標準装備され、スマホを通じてウェブ経由でアプリをダウンロードすることで多機能なオンボードコンピュータとして機能させることができる。サーキットの走行データの管理なども可能だ。
タコメーターの右下にセットされたインストルメントパネルには速度や距離などの基本情報の他、スイッチによる画面切り換えによりエンジンマップやレースABS、APRC(トラコン、ウイリー、ローンチ、クイックシフト等)の各種設定を表示。瞬時にセッティングの変更が可能だ。