スズキ GSX-R600(2015)の詳細写真
最高出力125psを発揮する水冷直列4気筒DOHC4バルブエンジンは、ピストンのデザイン変更により強度と耐久性を維持しながら大幅な軽量化を実現。メカニカルロスの低減により出力特性をさらにアップさせている。また、ドライブシャフトを中心に3度後方に回転することでホイールベースを15mm短縮、ハンドリングとコーナリング性能の向上が図られた。
フロントブレーキには新たにブレンボ製軽量モノブロック対向4ピストンキャリパーをラジアルマウント。ピストンサイズは従来の直径32-30mmから直径32-32mmに大径化し、制動力を高めつつもブレーキシステム全体で405gの軽量化するなど、バネ下重量軽減に貢献している。
リアブレーキも新たにGSX-R1000と共通のNISSIN製ブレーキキャリパーを装備し、従来型と比較して262g軽量化。効力は穏やかで入力もコントロールしやすく安心できる操作フィーリング。ABS仕様の設定はない。
新設計のマフラーはコンパクトかつ軽量化を果たした4-into-1エキゾーストシステムを採用。サイレンサーは軽量なチタン製で従来型と比較してマフラー全体で1,700gの軽量化。Euro3排出ガス規制に対応。
軽量コンパクトを追求しながら防風効果の高いデザインのフロントカウル。バックミラーにビルトインタイプのウインカーを装備するなどデザイン性と高いCdA値(空力)を達成している。ヘッドライトはGSX-R1000と同じ縦2灯ながらデザインが大きく異なるのが特徴だ。
燃料タンク形状については、サーキット走行やスポーツライディング、街乗りやロングランでの快適性も含め、さまざまな走行状況を考慮したデザインに見直されている。タンク前方には樹脂製カバーが回り込むように一体化している。
GSX-R1000に比べてよりスリムに絞り込まれたシート。リアシートもコンパクトでソロライディング主体に設計されていることが分かる。シートの乗り心地もややソリッドな感じだ。
コンパクトかつシンプルに絞り込まれたリアまわり。テールランプにはビルトインタイプの小型LEDコンビネーションライトを採用。一見GSX-R1000と似ているが、ウインカーのデザインからライセンスホルダーステーの形状まで異なる。
レース技術のフィードバックで開発されたショーワ製倒立テレスコピック式ビッグピストンフロントフォーク(BPF)を採用。φ41mmのインナーチューブはフォークアセンブリ全体が新設計で従来型に比べて860g軽量化。高い路面追従性と旋回性に貢献する。
ライダーの好みに応じて出力特性を選択できるS-DMSを搭載。パフォーマンスと使いやすさを追求した2マップ選択を採用する。スムースな操作のためS-DMSスイッチを左ハンドルバーに移動。ちなみにGSX-R1000のS-DMSは3マップ選択で、親指で操作するレバーがもう一本別にある。
ステップバーは3段階に調整が可能としライディングポジションの自由度を向上。各コンポーネントは軽量化が図られ、従来から53g軽量化が図られた。トランスミッションは1速から4速、および6速のドライブ・ドリブンギアレシオを見直すとともに、コンポーネント全体として185g軽量化されている。
インストルメントパネルは2010年型GSX-R1000と共通の多機能タイプを採用。アナログ式タコメーターを中心に、液晶タイプのデジタル速度計とギアポジションインジケーター、ストップウォッチとラップタイマー、MotoGPマシン譲りのエンジンRPMインジケーターなどを装備するなど、レーシーな雰囲気が漂う。