

掲載日:2015年06月30日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 写真/山家 健一 動画/倉田 昌幸 衣装協力/HYOD
市販空冷直列4気筒モデルとしては最大排気量となるDOHC4バルブ1,250ccエンジンを搭載。低速域からの幅広いトルク特性と優れたパワーフィーリングを実現。初代XJR1200から実に20年以上熟成を重ねたエンジンである。70年代のプロダクションレーサーを想起させるサイドカバーは、アルミ製の楕円形ゼッケンプレート風。
フロントブレーキはφ298mmダブルディスクを装備。効きは穏やかで扱いやすいフィーリングだった。今回試乗したモデルにはABSは未装着。
リアブレーキはφ267mmシングルディスクを装備。リアアームの下側にトルクロッドでマウントするタイプで、車体姿勢もコントロールしやすい。前後ブレーキとも従来型を踏襲する。
従来型のマフラーはメッキタイプだったが、「C」ではエキゾーストパイプやサイレンサーも艶消しブラック塗装に。サイレンサーエンドキャップとバフがけのステンレス製サイレンサーバンドとの対比が精悍でクールなイメージだ。
エンジン回転数やギア段数から最適値を演算してモーター駆動によりバルブを動かして駆動し、排気効率を高めるEXUPシステムを搭載。排出ガス浄化AIシステムと排気ガスをさらにクリーンに処理するO2センサー付き三元触媒も装備するなど環境性能も抜かりはない。
フロントサスペンションはφ43mmインナーチューブ径のフルアジャスタブル式正立フォークを採用。バネレート・減衰特性などは従来型を踏襲しながらも、従来のクロームメッキに比べ低フリクションで作動性の良いDLCコーティング(diamond-like carbon)を新たに採用。
リアサスも従来型と同様のオーリンズ製フルアジャスタブル式ツインショック採用。前後ともにプリロード、伸び側減衰力と圧側減衰力の調整機構を持ち幅広いセッティングに対応する。
フューエルタンクは容量14.5Lの樹脂製。ロング&スリムな形状に給油口をオフセット配置するなど、往年のプロダクションレーサーの雰囲気をイメージ。溶接跡のない滑らかな表面は、樹脂原料を入れた金型を加熱しながら回転させ、冷却後に成型品として取り出す特殊な方法で作られている。
ショートでコンパクトなタンデムシートが特徴のシングルシート風デザインを採用。ハーフパンチ加工のレザーをレトロ風の縫製ラインで立体的に仕上げるなどディテールにも徹底したこだわりがうかがえる。スリムかつホールド性に優れるデザインがスポーツライクな走りを実現。
コンパクトで優れた照射性を備えるφ180mmの小径レンズを採用したマルチリフレクターヘッドライト。軽量化を求めるロードレーサーを印象づけるヘッドライトステーのサークル状ホールが印象的だ。
従来型と大きく異なる印象のリアビュー。コンパクトなテールランプはLEDタイプで、もはや大きなシートカウルやグラブバーは存在しない。ディテールのミニマル化によりマスの集中化にも貢献。
伝統的なアナログ2連メーターはそのままに、ブラックベースにホワイトレターの新デザインの文字盤を採用。メーターボディもリブ構造に2段階テーパー形状とするなどデザインを一新した。
価格(消費税込み) = 135万円
※表示価格は2015年6月現在
空冷直4では最大排気量を誇るビッグネイキッド、XJR1300シリーズの最新作。ヨーロッパで企画・デザインされたカスタムテイスト溢れるスタイリングが魅力だ。
■エンジン型式 = 空冷4ストローク DOHC4バルブ直列4気筒
■総排気量 = 1251cc
■ボア×ストローク = 79.0×63.8 mm
■最高出力 = 71.9Kw(97.8ps)/8,000rpm
■最大トルク = 108.4N・m(11.1kg・f)/6,000rpm
■トランスミッション = 5速
■サイズ = 全長2,190×全幅820×全高1,120mm
■車両重量 = 240kg
■シート高 = 829mm
■ホイールベース = 1,500mm
■タンク容量 = 14.5リットル
■Fタイヤサイズ = 120/70-17
■Rタイヤサイズ = 180/55-17
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