

掲載日:2015年06月30日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 写真/山家 健一 動画/倉田 昌幸 衣装協力/HYOD
スポーツヘリテイジとして独自の世界観を追求し、コンセプトからデザイン開発までをEUヤマハ主導で行ないつつ、それを基に日本でヤマハらしさ、XJRらしさを突き詰めて完成したのが「XJR1300C」である。ちなみに欧州では「XJR1300」が正式名称ということで、名実ともに1998年以来続く同モデルの正統的な後継機種ということができる。今回、国内導入されるのは南アフリカ仕様、つまり逆輸入車である。ただ、国内ではまだ従来型も販売されていることから、しばらくは両者が併売というかたちになるだろう。
新デザインのフューエルタンクは、往年のロードレーサーを思わせるロング扁平タンクにオフセット配置した給油口を配置。マテリアルは樹脂製で、容量14.5Lを確保している。そして、シートはコンパクトなシングルシート風デザインを採用。このフォルムを実現させるため、シートレール長も10cm程詰められている。
サイドカバーには70年代のプロダクションレーサーをイメージしたアルミ製の楕円形ゼッケンプレートタイプを採用。フレームは現行XJR1300のスチール製ダブルクレードルタイプを継承しながら、カバー類を廃してフレームの機能美をあえて見せるデザインとした。
エンジンは低速域からの幅広いトルクと優れたパワーフィールを持つ、歴代XJRで熟成された4ストDOHC4バルブ1,250ccを搭載。モーター駆動によりバルブを開閉し、排圧をコントロールすることで優れたトルク特性を生み出すEXUPや、優れた環境性能を実現する排出ガス浄化AIシステムとO2センサー付き三元触媒を装備するなど、環境性能もしっかり確保されているのは従来どおりだ。
足回りはフロントにφ43mm径インナーチューブの正立フォークを採用するが、「C」にはより低フリクションで作動性の良いDLCコーティングが施されている。また、リアのオーリンズ製サスペンションを含め、前後ともフルアジャスタブル式を採用するなど、幅広いセッティングに対応している点は従来どおりだ。これ以外にも新たに採用されたアルミ製のテーパーハンドルバーやφ180mm小型ヘッドライトなどのディテールが、クラシカルかつスポーティな外観に一役買っている。
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