ヤマハ MT-09トレーサーABSの詳細写真
ウインカーを除いて灯火類はすべてLEDで、ヘッドライトにはポジションランプも装備する。ロービーム時は右のみが点灯し、ハイビーム時は左右のヘッドライトが点灯する。ヘッドライトは左右いずれもダイヤルノブで簡単に光軸調整できる。
ウインドスクリーンは15mmずつ3段階に高さ調節が可能。バイクにまたがったまま操作できるが、固定ビスは左右2か所に分かれているため走行中の操作は困難。調節は停車中に行う。写真は最も高くした状態で、100km/h巡航時では肩に当たる走行風をカットしてくれる。
3ピース構造のハンドガードはウインドプロテクション効果に優れ、手指だけでなくスクリーンとハンドガードの隙間からの走行風もカットし、ライダーの上半身への負担を和らげる。オプションのグリップヒーターを装着した際にはその効果を高めてくれるはずだ。
846cc水冷直列3気筒エンジンは、最高出力110psを発揮。低回転域から十分なトルクを生み、アイドリングのみでクラッチをつなぐことも容易。レブリミットは11,000rpmを上回ったあたりに設定されており、アイドリングからその領域までフラットにトルクを発生する。
18リットル容量を確保した燃料タンクは樹脂カバーに覆われており、左右に張り出した形状はウインドプロテクション効果を存分に発揮。今回の試乗中の燃費は、ペースはやや高めだったもののメーター表示で20.6km/Lを記録。実質的に航続距離は350km以上だ。
広角レンズで撮った写真のためワイドさが強調されているが、広いハンドル幅と、躯体の大きなハンドガード、左右に張り出した燃料タンクから感じる印象は大柄だ。
各シリンダーから伸びるエキゾーストパイプは中間で連結されている。そのパイプは表面加工処理をしないことでエキパイ本体と色味を差別化し、目立たないように工夫されている。
加工方法を変えることでMT-09のものよりも重く仕上げられているホイール。安定性のあるハンドリングに貢献している。ブレーキシステムにはABSが標準装備される。
白色バックライトを持つ液晶メーター。左は速度、回転、残燃料などを示す主計器で、右は距離や気温、平均燃費などを表示する副計器。主計器左側のスイッチでTCS(トラクションコントロール)をオフにすることが可能(オフ時はTCSマークが点灯)。
メーターの左側に12V電源のアウトプット(シガーソケット)を装備。その左下にある十字型のノブはヘッドライトの光軸調整用、右下にある丸いノブはウインドスクリーン固定ビス。どちらのノブも左右にそれぞれ設置されている。
シートはライダーとパッセンジャーが分割されたセパレート式を採用。着脱はパッセンジャー側から行う。ライダーシートは前後に幅があり、着座位置の自由度は高い。シートスポンジは肉厚が薄く、やや硬めだ。
シート下の状態。パッセンジャー側(後部)に車載工具や車検証入れ、ETC車載器を収納できるスペースがある。ライダー側(前部)にあるバッテリー上部に接地されているハシゴ型の樹脂パーツの取付位置を変えることでシート高を調節する仕組み。
シート高845mmとなるローポジション(標準)。グリップ、シート、ステップの位置関係がナチュラルになり、快適で扱いやすいライディングポジションとなる。
こちらがハイポジション。グリップ位置がやや下となり、モタードマシンのライディングポジションに近くなるため、よりスポーティな走行に適している。
ハンドルライザーの取付方向を前後逆にすることで、グリップ位置を変更可能。写真は標準状態。
センタースタンドは標準装備される。装着位置のバランスは良好で、軽くリフトアップできる。
純正オプションのパニアケースを装着するためのステーも標準装備される。ツーリングネットなどの使用に便利な荷掛けフックも兼用しており、積載の自由度は高い。
左側ハンドルスイッチには、一般的なウインカーやロー/ハイビーム切替スイッチ、ホーンの他、副計器の操作に使用するシーソー型のセレクトスイッチとメニュースイッチが設置される。