ホンダ CB1300スーパーボルドール
ホンダ CB1300スーパーボルドール

ホンダ CB1300スーパーボルドール – 360度スキなしの完成度。これが日本のCB1300だ!

掲載日:2015年03月26日 試乗インプレ・レビュー    

レポート/中村 浩史  写真/桜井 健雄  記事提供/ロードライダー編集部
※この記事はカスタムNo.1マガジン『ロードライダー』の人気企画『New Model Impression』を再編集したものです

約5年ぶりに大幅な変更を受けたCB1300シリーズ。ユーザー待望のエンジン6速化がその大きな変更内容だが、各所に細かく手が入れられて、全体の完成度が大きくアップしたのだ!

360度スキなしの完成度
これが日本のCB1300だ!

CB1000スーパーフォアが誕生して20年、排気量が1,300となってから15年、それでも今なおCB1300は、スーパーフォアとスーパーボルドールを合わせて、年間1,500台ほどコンスタントに売れている“お化け”バイクだ。ネイキッドモデルとかスポーツツアラーという枠を越えて、これはもうザ・CB。日本のスタンダードバイクなのだ。

今回のモデルチェンジは、オーナーから待望久しかったミッションの6速化。もともと多段ミッションというのは、トルクのない小排気量エンジンが、少ないパワーを有効に使うために必要な装備。1,300もの排気量のあるエンジンならば、トルクも太く、細かくギアチェンジする必要もないから、という理由からの5速ミッションだったけれど、オーナーとしてみれば、やっぱり6速がほしいもの。あの名車CB750/1100Fも5速だったしね。

その6速は、これまでの5速のレシオ配置をほぼそのままに、2速をちょっとローに近づけ、従来の5速レシオにオーバードライブを追加したようなイメージだ。

クルージング域で言えば、トップ6速で100km/h巡航していると、ドリブンスプロケットが1歯ロングに振られたことも合わせ、旧5速モデルが約3,500回転だったのに対し、新6速モデルでは約3,000回転。回転数が下がると、サウンドも振動もさらに抑えられ、当然のように燃費も向上する。ツーリング派には大歓迎の変更だ。

この変更箇所を含め、新CB1300は、全体に走りの「質感」を向上した印象だ。実はCB1300って、イメージに反してとんでもなくパワフルで速いモデルなんだけれど、新1300はパワーフィーリングが穏やかになり、車体の動きもソフトでスムーズ。これはCBのファン層が、ヤンチャに飛ばすより、ジェントルに走りたい、というユーザーが多いからなのだろう。

新CB1300は、ミッションの変更と合わせてフューエルインジェクションのセッティングやマフラーも変更。これでパワーフィーリングがかなり向上していて、スロットル開け始めの微開エリアからキレイにパワーが立ち上がる。試しにトントンとシフトアップして6速で走ってみると、1,500回転で50km/hくらいからスロットルを開けても、息つきなく加速を始めるのだ! 極端に言えば、流れている街中なら、6速に入れっぱなしでスイスイ走ることだってできるのだ。このパワーのフレキシビリティ、スゴい!

車体の動きも少し印象が変わった。新しいCB1300はカタログデータで言えば車重は7kgほど増えているんだけれど、ミッションまわりの増量(ということは車体中心)だからほぼ体感できないし、むしろ軽くなっているように思えたほど。これは、前後ホイールの変更でバネ下が軽くなっているのと、特にS字の切り返しで軽さを感じたことから、フレームの剛性バランスが変わったこともある。フレームまわりは特に、シートレール部の補強がカッチリした動きを感じさせているのだろう。また、サイドカバー形状変更で、ニーグリップ部のフィットが向上しただけでも軽く感じるから、この相乗効果でハンドリングが変わって感じるのだと思う。

今回、試乗したのはCB1300スーパーボルドールのEパッケージ。ETCとグリップヒーターが標準装備される仕様で一般には(2014年)5月23日に発売されるもの。季節はもう春とはいえ、ちょっと標高が上がると、とたんに気温が下がるのは夏でもあること。こんなとき、グリップヒーター(しかもグリップ径も変わらない!)は本当にありがたい。スズキ・ハヤブサに続いて標準装備となったETC車載器も、メーター内にインジケーターがあって、これも後付けにはない高級感につながっていると思う。

街を流すのも、長距離ツーリングに出るにも本当にスキがない、さらに完成度を増した新CB1300。これぞニッポンが誇る、ザ・CBだ。

全体のフォルムはよりシャープになったCB1300SB

SB=スーパーボルドールはニューデザインのカウルやサイドカバー、さらにマフラーも小型化したことでよりシャープに、コンパクトに感じられるデザインとなった。車重は旧CB1300SBよりも7kg増となったが、これはミッションまわり変更のため。実際はほとんど体感できなかった

ホンダ CB1300スーパーボルドールの詳細写真は次ページにて

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