ロードライダーインプレッション~2009年SBKマシン一気乗り~

掲載日:2010年06月25日 特集記事    

記事提供/2010年2月24日発行 月刊ロードライダー 4月号
Report/和歌山利宏

スーパースポーツ改造マシンによるSBKは2009年、アプリリアとBMWも参戦を開始し大いに盛り上がった。
ポルトガルはポルティマオでの最終戦の明くる日、和歌山利宏が全トップマシンヘ試乗した。

     
     

 

市販車の素性が現れる
スーパーバイクマシン

市販車ベースのマシンで競われるSBKスーパーバイク世界選手権。オーストラリアのフィリップアイランドで開幕し、ヨーロッパだけでなく、中東のカタール、南アフリカ、アメリカを転戦するというハードな2009年シリーズを制したのは、YZF-R1に乗るアメリカ人、ベン・スピーズであった。

タイトル争いは近年まれに見る熾烈さで、チャンピオン決定は最終戦の第2ヒートまで持ち越された。タイトル争いのもうひとりの主役が、ドゥカティ1098Rに乗る芳賀紀之選手だっただけに、日本人にとっては目の離せないものとなった。

開幕時の大方の予想は、優勢とされた芳賀を中心にレースが展開されるというもので、実際、そのように進んでいるかのように思われた。ところが中盤辺りから、スピーズが結果を残す一方、芳賀は不調や転倒の不運、負傷の影響が重なり、ポイントは急接近、スピーズにチャンピオンを譲ることになったのだ。

上位陣では芳賀の僚友のミッシェル・ファブリツィオ、ホンダのジョナサン・レアという若手の台頭が目覚しかった。一方で、アプリリアRSV4に乗るベテラン、マックス・ビアッジがシーズンを通して活躍し、ランキング4位に入ったことにも注目できる。ラップタイムが短縮され、バトルが熾烈になったSBK2009。今回、試乗したマシンからは、そうした現実をはっきり窺い知ることができ、そこに市販車の素性が現れていることが印象的であった。

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