

掲載日:2014年02月20日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 写真/山家健一 動画/倉田昌幸 衣装協力/HYOD
新型FJRでは、従来モデルで熟成を重ねてきたエンジンや車体などの基本構造は変えず、その素性の良さを生かしつつ新型に課された命題である“基本性能の向上”を目指しているのが特徴だ。水冷直列4気筒 DOHC 1,297ccエンジンは、新たにダイレクトイグニッションや放熱性に優れるライナーレスメッキシリンダー、フリクションロスを低減する低張力ピストンリングなどを採用。また、エキゾーストパイプの管長や触媒の位置、エアファンネル形状を見直すなど、吸排気系のトータルな最適化が図られている。
車体面ではアルミダイキャスト製ダイヤモンドフレーム、2次駆動にシャフトドライブを用いる構造はそのままに、サスペンションの内部構造の見直しとリセッティングを行うことで、新型ラジアルタイヤの採用と合わせてハンドリング性を向上。フロントカウル形状も変更し、風圧をコントロールすることでより快適な居住空間を作り出すことにもこだわった。
もうひとつの命題である“電子制御化”については、“YCC-T”(ヤマハ電子制御スロットル)が採用され、エンジン特性を2つのモードから選べる“D-MODE”や“TCS”(トラクション・コントロール・システム)、クルーズコントロールを新たに搭載。前後ブレーキの制動力を効果的に引き出すABS搭載のユニファイドブレーキシステムも継続採用するなど、現代のハイパフォーマンスマシンに相応しい快適・安全デバイスを手に入れている。
以上がFJR1300A/ASに共通する装備であるが、今回試乗したASのみのスペックとして、進化版の“YCC-S”(ヤマハ電子制御シフト)と電動調整サスペンションの採用が見逃せないポイントだ。YCC-Sはクラッチレバーの操作なしにギアチェンジができるシステムで、シフト操作は左足のシフトペダルか左ハンドルスイッチで行う仕組み。停止時に自動的に1速に落とす“STOP MODE機能”も選択できる。新採用の電動調整サスペンションは4段階の荷重設定、3段階(その中で各7段階)の減衰力調整が可能で、走行環境に応じた幅広いセッティングに対応したものだ。
また、デザインコンセプトである“ダイナミックツーリング”を具現化するため、スタイリングにも一層磨きがかけられ、見た目のグレード感もワンランクアップしている。
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