ホンダ NC700X デュアル・クラッチ・トランスミッション
ホンダ NC700X デュアル・クラッチ・トランスミッション

ホンダ NC700X デュアル・クラッチ・トランスミッション – 人気モデルにオートマチック仕様が登場

掲載日:2012年07月05日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/佐川 健太郎  撮影/MOTOCOM  衣装協力/HYOD(ヒョウドウプロダクツ)

ホンダ NC700X デュアル・クラッチ・トランスミッションの特徴

DCT は軽量・コンパクトに
制御システムも賢く進化

NC700X は「低燃費」「低回転」「低価格」を具現化した「ニューミッドコンセプト」シリーズの第1弾として2012年2月にデビューしたクロスオーバーモデルである。クロスオーバーとは、スマート&タフで都会的な洗練さと冒険心をかき立てる力強さを融合した、新しい発想のデザインコンセプトのこと。

新設計の水冷4ストローク OHC 直列2気筒 700cc エンジンは、徹底的な低燃費化を目指し、理想的な燃焼室形状や低フリクション技術などを追求することで、41.0km/L(60km/h定地走行テスト値)という圧倒的な低燃費を実現。270度位相クランクによる不等間隔爆発と1軸1次バランサーの採用により、振動を低減させながら心地よい鼓動感を味わえるのが特徴だ。しなやかな剛性バランスを持つスチール製ダイヤモンドフレームに、前傾角62度(車両搭載角)でエンジンを搭載することで、低重心化とともに “車体レイアウトの自由度と利便性の高いスペース” を実現。これにより、シート下に燃料タンクの配置が可能になり、代わりに従来の燃料タンク部には容量21リットルのラゲッジスペースの確保に成功している。また、前後サスペンションは路面追従性を高めるため、豊富なストローク量が与えられ、デュアルパーパス的なフォルムも含めて、共通の車体を持つネイキッドタイプの 『NC700S』 とスクータータイプの 『インテグラ』 とは乗り味もはっきりと差別化されている。

ホンダ NC700X デュアル・クラッチ・トランスミッションの画像

そして今回新たにタイプ設定されたのが、DCT を搭載したバージョンである。DCT は、スクーターなどに採用される CVT タイプの無段変速オートマチックとは異なる有段式であることが大きな特徴だ。走行モードには状況に合わせて的確なギア選択を自動的に行う「ATモード」と、従来のマニュアルシフトに近い感覚で任意にシフトチェンジが可能な「MTモード」が設定されている。さらに AT には通常走行用の「Dモード」と、よりスポーティな走りが楽しめる「Sモード」があり、シチュエーションや好みによって様々な走りが楽しめる。

VFR1200F から進化した第2世代 DCT では、クラッチの配置変更や油圧系のシンプル化により、ユニットの軽量・コンパクト化を実現。また、Dモードの範囲を広げてライダーの走り方を自動的に判別して最適なギアシフトを行う「走行状態判別制御」や、ATモードで走行中にマニュアル操作をした場合でも自動的にATモードに戻る「自動復帰機能」が新たに組み込まれるなど、制御系もアップグレードしている点も見逃せない。

今回は 30mm シート高を下げて足着き性を高めた 『NC700X TypeLD』 も設定され、こちらにも DCT 仕様が加わり、ユーザーの選択肢が一層広がった。なお、DCT 仕様は ABS が標準装備となっている。

ホンダ NC700X デュアル・クラッチ・トランスミッションの試乗インプレッションは次ページにて

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