KTM 200 DUKE
KTM 200 DUKE

KTM 200 DUKE – 待望の小型2輪カテゴリーへの進出

掲載日:2012年06月21日 試乗インプレ・レビュー    

取材・文/淺倉 恵介

KTM 200 DUKEの試乗インプレッション

KTM 200 DUKEの画像

シングルらしからぬスムーズな回転上昇
排気量アップに伴う豊かなトルク特性が魅力

自分は 125 DUKE を非常に高く評価している。125 DUKE のファーストインプレッションは衝撃の一言だった。とにかくシャシーのクオリティがズバ抜けていた。フレームはガッシリと荷重を受け止め、前後サスペンションは実に上質に動く。さすがにエンジンはパワフルだとは思わなかったが、高級感のある回り方は自分にとって 125cc クラスの概念からは外れた質感があった。125cc クラスのバイクとは、これほど楽しめるものなのかと目から鱗が落ちた気がしたものだ。また、インド製ということにも驚かされた。工業国という意識がなかったインドの生産技術について認識を改めさせられたものだ。125 DUKE は自分にとってバイクの世界を拡げてくれた革新者であり、125cc クラスにおけるベンチマーク的存在だ。よほど購入してしまおうかとも考えたのだが、どうしても引っかかっていたのが 125cc では高速道路を走れないところだ。

KTM 200 DUKEの画像

125 DUKE はスポーツランが素晴らしく面白い。だからこそワインディングを走らせたいと思うのだが、山の麓にでも住んでいなければ峠に至るまでに退屈な移動区間があるもの。その点で、高速道路が走行不可の 125cc クラスは大きなマイナスポイントがある。125cc クラスは維持費が安くコミューターにも最適だが、いくら KTM 製品としては破格だといっても、やはりそれだけに使うのには高価だし、それでは DUKE を手に入れる意味がない。スポーツしてこその DUKE だ。だからこそ 200 DUKE 登場の報を耳にした時は驚喜した。125 DUKE での不満点が完全に解決されるのだ。

KTM 200 DUKEの画像

さて、その 200 DUKE を初めて目にしたところ、外観からは 125 DUKE と見分けがつかない。よくよく見るとタンクの数字が「200」に変わっていることに気付くくらいである。聞けば、車体に関しては 125 DUKE と全く同一であるという。もともと抜群に出来の良い車体だから、これは期待が高まる。エンジンパワーが大きく上がっている分、パワーとシャシーのバランスがどうなるかという不安はあるが、まずは走ってみることだ。

KTM 200 DUKEの画像

試乗会場はミニサーキットと一般公道が用意されていた。まずはミニサーキットで走り出す。ごくごく低回転域のトルクは期待したほどではなく、多少回転数を上げ気味にしないと発進は鈍い。だが、回転上昇の滑らかさ 125 DUKE 並かそれ以上。シングルエンジンらしからぬスムーズさなのだ。シングルに鼓動感を求める向きには不満かもしれないが、こういったシングルも、個人的には嫌いではない。そして気になるのがパワーだろう。しょせんは 200cc の排気量、もちろんリッターバイクのように速いわけではない。125 DUKE と比較するなら、もちろん大幅にパワフルだ。だが、排気量アップのメリットはピークパワーよりトルク特性の変化にあるのだろう。限られた排気量の中で、ある程度のパワーを引き出す必要のある 125cc エンジンは、比べてしまうとやはりピーキー。その点 200cc エンジンにはトルクに余裕がある。中回転域からのトルク感はなかなかで、しっかりと車速を乗せる加速力があり、マルチエンジンのようにスムーズに回る。残念に感じたのが、フラットなパワー特性な分、高回転域でのパワー感が希薄なこと。レブ近くでもう一伸びすると、ドラマチックでより楽しいだろうと感じた。ともあれ、100km/h には簡単に達するし、一般道はもちろん高速道路でもパワー不足でモタつくようなことはないだろう。今回は高速道路を走ることはできなかったが、いずれ試してみたいものだ。

KTM 200 DUKEの画像

車体に関しては、事前の心配は杞憂に過ぎなかった。フレームもサスペンションも、なんの違和感もなくパワーを受け止めている。これはもう自分が理想に描いていた 125 DUKE の強化版に他ならない。一刻も早く、お気に入りのワインディングで試してみたい。そう思わせるマシンだ。

KTM 200 DUKEの詳細写真は次ページにて

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